今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、まもなく通算3500号を迎える。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 本文巻頭は『麻雀コーチじゃ巨人は勝てない!~冷たくなった水原・川上の関係』
今回は『1960年1月13日新年号』。定価は10円上がった40円で、久々のセンターカラーは南海・
杉浦忠夫妻だ。
巻頭グラビアは『しっかりやろうぜ!!~捲土重来を期す巨人の闘将』。長嶋茂雄と親友・石原裕次郎の2ショットほか、
広岡達朗らのゴルフシーンも掲載されている。
本文巻頭は『麻雀コーチじゃ巨人は勝てない!~冷たくなった水原・川上の関係』がなかなか激しい。辛口の評論家として人気があったが、指導者のとしての評判はいまいちだった
浜崎真二のピッチングコーチ就任で、巨人のチーム内に不協和音という話である。「麻雀コーチ」というのは、
水原茂監督と浜崎が麻雀仲間であることを揶揄してだった。
『猿がとり持つ小山(
阪神)の婚約』という記事もあった。
阪神のエース・
小山正明と慶大のスーパースターであり、阪急草創期の主力でもあった故・
宮武三郎の愛娘の婚約。これはこれで大変おめでたい話だが、出会いが面白い。合宿暮らしの寂しさで、なぜか猿を飼ってみようと思い立った小山が、人づてに「譲ってもいい」という話を聞いたのが、生前の宮武が大切に飼っていた「もんちゃん」。ただ、猿を引き取りに宮武家に行くまで、あの「大先輩の宮武さん」とはまったく知らなかったという。
対談は2つ。まず『バットで勝利を叩き出せ』が大毎・
山内和弘、巨人・長嶋茂雄、大洋・
桑田武、『トンチ家族放談』が大洋の
土井淳夫妻、国鉄・
町田行彦夫妻、巨人・
安原達佳夫妻の登場だ。
この号の目玉は、表紙文字にもなっている五味康祐著の『連載小説 黒眼鏡の打者』。
五味は時代小説作家として有名だった人物。いきなりの行きずりの男女のベットシーン(事後)からスタートし、フィクションかと思ったが、大洋・三原監督と実名があり、最後は、その女性が出会った青年の写真が新聞に載っているのを発見。見出しは、
天才打者江川・大洋に入団?
今日三原監督と対面。
もちろん、あの
江川卓は、まだ幼くまったく関係がない。なお、翌週号が1月1日発売とあって驚いた。いまは取次の問題から発売が認められていない日だ。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM