
岡は高いポテンシャルを本格開花できるか。熾烈な外野争いの戦いの幕が開ける
いよいよ、明日から12球団のキャンプがスタートする。球春到来とも呼ばれ、プロ野球の本格的な幕開けとなる。
3年連続で海外キャンプ(アリゾナ州スコッツデール)を行う
日本ハムは黄金ルーキーの
清宮幸太郎に熱視線が注がれるが、各ポジションのレギュラー争いは近年で一番熾烈なものになりそうだ。
栗山英樹監督も「レギュラーは全ポジション白紙」と公言し、
大谷翔平、
増井浩俊、
大野奨太、
マーティンらが抜けた穴を埋めるべく、戦力の見極めをもう一度フラットな目線でこのアリゾナキャンプからスタートさせる。その中でも最激戦区は外野。
西川遥輝をはじめ、
大田泰示、
松本剛、
近藤健介、
岡大海、
淺間大基、新助っ人のアルシア、さらには
横尾俊建や清宮のテストも行われそうで、わずかに3つしかないポジションをめぐる戦いは、今キャンプの大きな見どころとも言える。
その中で個人的に注目しているのが、岡大海。現状の立場では相当な奮起とアピールがないとポジションは奪えないが、この男にしかない期待感を感じてしまう。例えるなら野性的と言えばいいのだろうか、持って生まれた野球センスの塊のような選手が岡だ。
栗山監督もルーキー時から「あいつは右の糸井(嘉男)になるよ」と大きな期待を寄せ、辛抱強くチャンスを与えながらその才能を育んできた。昨年の開幕前も岡はケガでスローペースでの調整を強いられていたが、栗山監督はおそらく開幕からスタメンでの起用の青写真を描いていたはずであり、シーズン5位に終わった誤算の1つに岡の不振というのもあっただろう。
西川や近藤に負けず劣らないポテンシャルを秘める未完の大器。群雄割拠の日本ハム外野陣のレギュラー争いを面白くするのは、間違いなくこの男だ。
文=松井進作 写真=BBM