
春季キャンプで汗を流す京田
2017年、
京田陽太は5年連続のBクラスに沈んだチームの中で、強い輝きを放った。
開幕スタメンに抜てきされると、主に「一番・遊撃」として主力に。俊足を生かしてセ・リーグの新人では歴代2位となる149安打を放ち、新人王を獲得。今季は「3割」「35盗塁」と高い目標を掲げ、沖縄・北谷町での春季キャンプで汗を流している。
昨季はチーム最多の141試合に出場した京田。試合経験を積む中で、変化を見せたものがある。守備では開幕当初、球際の弱さを指摘されることもあったが、
奈良原浩コーチや
森脇浩司コーチの指導もあり、次第に安定感を増していった。
「後半戦は、前半戦に比べると落ち着いてプレーできるようになったとは自分でも感じています。最初はすべての打球を正面に入って捕ろうとしていたんですけど、それでは追いつけない打球もありますし、片手で捕ったほうが送球につなげやすい場合もある。基本をおろそかにするわけではありませんが、いい意味で崩せたところもありました」
初めて身を置く環境への慣れ。プロの世界への順応していった京田だが、変わらないものもあった。
「141試合に出てもダメでしたね。試合前には、緊張で固形物が喉を通らなかったんです。栄養はゼリーなどで取るようにしていましたが、さすがに夏場は体重が落ちました」
グラウンドでは落ち着いたプレーを見せながらも、その裏ではプレッシャーと戦っていた。それでも、今季は「143試合フル出場」を宣言。重圧をはね返さんとする竜の韋駄天の2年目に注目だ。
文=吉見淳司 写真=BBM