
1年目はやや苦しんだが、翌84年は三冠王
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわって「その日に何があったのか」紹介していく。今回は2月5日だ。
1983年2月5日、周囲を圧する巨漢が大阪空港に姿を現した。
阪急の新外国人・
ブーマーだ。身長2メートル、体重は公称で100キロだが、おそらくはるかに超えていたはずだ。
空港で記者会見したブーマーは3割、30本塁打、100打点を目標に掲げ、「ブレーブスの優勝のために活躍したい」と抱負を語った。
ブーマーはニックネームで、意味は「ブームを呼ぶ男」。翌6日には西宮第2球場で体を慣らし、7日には高知のキャンプに合流。8日からは早くもフリーバッティングを行ったが、超特大ホームランを連発。
上田利治監督も「すごいな。ほんまに優勝への旋風を起こしてくれるかもしれんね」と称賛した。
広島から移籍1年目、一塁へのこだわりを見せていた
水谷実雄も、その打棒を見て脱帽。「ミットはもう俺にはいらない。ブーマーに負けたよ。これからはDH稼業に専念する」と語っていたが、この年、ブーマーの17本塁打に対し、水谷は36本塁打、114打点で打点王にも輝き、意地を見せた。
写真=BBM