中日京田陽太内野手

練習試合でメンタルの強さを発揮した京田
2018年の竜の“初安打”はやはりこの男のバットから生まれた。
2月12日、今年初の対外試合となる韓国・ハンファとの練習試合に臨んだ
中日。1回裏、先頭打者の
京田陽太が左中間へ二塁打を放ち、さらに
アルモンテのタイムリーで先制のホームを踏んだ。
昨季は主に一番に座り、セ・リーグの新人歴代2位となる149安打を放って新人王に輝いた京田。「今季も先頭打者は任せろ」と言わんばかりの一打だった。
「京田はそうなんですよね。そこは『すごいな』って思います」
試合後、そう明かしてくれたのは
堂上直倫だった。実は二塁打を放つ前、1回表の守備で、京田は送球ミスを犯し、相手の出塁を許していた。堂上が感心するのはその後、すぐさまバットで挽回したシーンだ。
「去年のシーズン中もそうでしたが、エラーをした後には必ずヒットを打つんですよ。いい意味で無頓着というか、切り替えがうまい。失敗をダラダラ引きずることはないですね」
昨季、試合前には緊張のあまり固形物が喉を通らなかったという京田。しかしグラウンドに立てばプレッシャーをはね返すような活躍を見せてくれた。
京田の魅力は、俊足に代表されるプレーだけではない。精神的な強さもまた際立っているのだ。
文=吉見淳司 写真=井田新輔