台湾メディアが殺到した2人!?

安田に台湾メディア5社が攻勢をかける
新人離れしているというのはこういうことをいうのか。
ロッテの
安田尚憲である。メディアがたたけばしっかり響く。18歳とは思えぬ受け答え。2月17日の台湾・Lamigoモンキーズ戦を前にした前日取材でもそれは変わらなかった。
井口資仁監督が明言した四番・三塁起用に関してメディアに問われた際も「まさか(紅白戦に続いて)四番を打たせてもらえると思っていなかったので、期待に応えられるように」と答えたあと、「(四番起用は)今、聞きました(笑)」。背番号5の強心臓はとどまるところを知らない。
で、Lamigoモンキーズである。その交流戦に向け台湾5社のメディアが石垣島に詰めかけた。各社ロッテ側に安田の前日取材を申し込んだが、さすがに個別には対応しきれず共同インタビューに。それが冒頭の写真の様子だ。
台湾メディア「台湾には来たことがありますか」
安田「高校生のときに一度だけ台湾遠征で試合をしたことがあります」
台湾メディア「アピールポイントは」
安田「長打力です。明日、一発が出るか分からないですが、しっかり自分のスイングがしたいです」
台湾メディア「
日本ハムの
清宮幸太郎選手と比較されますが」
安田「プロに入ってからも切磋琢磨して、互いに意識し合いながら頑張っていきたいと思います」
安田の受け答えもさることながら、台湾メディアの日本野球通に驚かされた。清宮に安田。今季の新人もしっかりとチェックしている。
ラミゴと言えば2017年の台湾リーグの三冠王、NPB各球団も熱視線を送る
王柏融(ワン・ポーロン)だが、今回の遠征には参加していない。キャンプ参加が遅れてコンディションが万全ではない、と台湾メディアは必死に弁明していた。
台湾メディアの取材攻勢に目を丸くしていた安田だが、「何の実績もない自分にこれほど注目してもらって感謝しないといけない」とさすがのコメントを残していたが、実は台湾メディアの最大の関心は別のところにあった。
チェン・グァンユウだ。台湾代表としてWBC代表にも選ばれているチェンは、
鈴木大地の「お前、スーパースターだもんな!」という合いの手を持ち出すまでもなく、台湾での知名度はトップクラス。ロッテファンには「チェンチェン大丈夫ヨ!」のフレーズとたどたどしい日本語、そしてエンジェルフェイスでおなじみだが、台湾メディアとは流暢な台湾語で受け答えしていたのが新鮮だった。
通訳なしという異色の外国人選手であるがゆえに、つい“外国人”であることを忘れてしまう。チェン、母国語なら流暢にしゃべれるんだね。当たり前か……。
文=杉浦多夢 写真=BBM