
開幕一軍へオープン戦で猛アピールしている内田
昨季のイースタン・リーグ2冠王がオープン戦で奮闘している。
楽天の
内田靖人が、3月11日現在で5試合に出場し打率.440、1本塁打、8打点をマークするなど、一軍入りへアピール中だ。
内田は昨季、イースタンで18本塁打、66打点で2冠を獲得している。しかし、契約更改では「もう二軍でやる選手ではないと(球団から)言われました。自分も自覚しているし、来年は一軍に定着できるようにしたい」と反省が口をついた。それもそのはず、2014年に常総学院高からドラフト2位で楽天に入団し、16年には一軍に17試合出場で2本塁打と「和製大砲候補」として期待がかかるも、17年は7試合出場でわずか1安打に終わっていたのだ。「メンタル面も技術も足りない」と悔しさをにじませた。
内田にとって大きな壁は打撃面だけではない。守備位置は、一、三塁が多いが、ここにはすでにレギュラー選手がひしめき合っているのだ。一塁には
銀次や
アマダー、
ウィーラー、
枡田慎太郎らがおり、三塁ではウィーラーと
今江年晶が定位置争い中。ウィーラーは昨季の四番で今季ももちろんそのバットに期待がかかっており、銀次はバッティングはもちろん、チームの中心選手。そこに割って入るのは簡単なことではない。さらに内野のユーティリティープレーヤーである
渡辺直人も加入し、その壁はさらに高くなった。
だが、譲れない思いがある。高卒5年目である内田は、今季の大卒ルーキーと同年齢。チームは
岩見雅紀(浪人を経て慶大に入学したため、年齢は1歳上)、
耀飛ら、若き大砲候補をドラフトで指名しただけに「プロで4年やってきたことを出して、負けないようにしたい」と鼻息は荒い。
目標は一軍での2ケタ本塁打。05年の球団創設以降、生え抜きの右打者でシーズン2ケタ本塁打達成者はまだ出ておらず(左打者では昨季、
茂木栄五郎、
島内宏明が到達)、その第1号を目指す。プロの先輩としての意地を見せるためにも、今季は一軍での結果を求めていきたいところ。バットはもちろん、安定感のある守備が開幕一軍へのカギとなりそうだ。
文=阿部ちはる 写真=BBM