
安定感あふれるピッチングを見せた三浦
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は3月19日だ。
今季から二段モーションが事実上解禁された。
これを聞いて、横浜のオールドファンは少し複雑な気持ちになったのではないか。二段モーションが厳重にチェックされるようになったのは、2006年からだが(その後、いつの間にか緩くなったが……)、その影響をもっとも大きく受けたのが、ハマの番長・
三浦大輔だからだ。
二段モーション最終年の2005年、三浦のピッチングは円熟期を迎えていた。フォームどうこうというより、制球力と球のキレ、さらに1試合を計算し尽くしたかのような投球術が光ったシーズンだ。
この年の三浦は、オープン戦から絶好調だった。同年3月19日は、横浜での
日本ハムとの試合で5回をノーヒット、6奪三振と素晴らしいピッチングを披露した。しかも、10日の
楽天戦(静岡)から10イニングをノーヒットに抑えたことになる。
「まさか2試合連続でこんないいピッチングができるなんて、シュートも良かったし、球自体には納得しています」と三浦。ノーヒットは続く24日
阪神戦の2イニング目で途絶えたが、シーズン後も好調を維持し、12勝をマーク、防御率2.52で最優秀防御率にも輝いた。
もちろん、06年以降も新フォームでコンスタントな活躍はしたが、なかなか05年の再現とまではいかなかった。おそらくではあるが、あのままのフォームでいけば、200勝にも到達していたのではないか。
投球フォームは、大げさではなく、選手の血と汗の結晶だ。三浦にしても何年もかけて、ようやくつかんだものだったと思う。今度、このようなバラつきがないことを祈りたい。
写真=BBM