タレント豊富な「銀河系軍団」大阪桐蔭

昨年実績から注目度No.1と言われる大阪桐蔭の藤原(左)と根尾(右)。同校は2人以外にも、素材の良い選手をそろえる
甲子園とは「人を育てる場所」である。昨夏、広陵・
中村奨成(
広島)が、それを証明した。1985年のPL学園・
清原和博を上回る1大会個人最多6本塁打。一躍、ヒーローへと上り詰めた中村は「結果を出せているのは、甲子園の力」と言い切った。
大舞台でアドレナリン全開。一方で「甲子園には魔物が棲む」とも言われ、重圧に押しつぶされるケースもある。ネット裏で視察するスカウトも、甲子園ですべての評価を決めるわけではない。とはいえ、野球はメンタルのスポーツ。大舞台での活躍は判断材料としては、大きな意味を持つ。
高校生にとってはまだ夏があるとはいえ、1、2回戦の20試合、初戦のパフォーマンスが、人生を左右するかもしれない。
史上3校目の春連覇を目指す大阪桐蔭高には有力選手が顔をそろえる。投手と遊撃手をこなし、打っても主軸の「三刀流」の
根尾昂、攻守走の「三拍子」がそろう
藤原恭大のほか計6人を『センバツ展望号』の表紙で掲載。一部報道では同校を「銀河系軍団」と表現しているが、ポテンシャルの高さは全国屈指と言えるだろう。
過去のドラフトで同一チームからの指名は5人(1977年法大、91年東北福祉大、2000年プリンスホテル、05年NTT西日本)が最多で、この記録を上回る可能性もある。センバツは長い冬を開けた公式戦初戦であり、その“入り”が注目されるところである。
投手ではケガで関東大会での登板を回避した東海大相模・
齋藤礼二の復帰戦に注目が集まる。また、昨秋の神宮大会を制した高知県出身の明徳義塾・
市川悠太の強気の投球も楽しみである。
すっかり野球界に定着した「二刀流」では中央学院・
大谷拓海が四番・投手として、本家・
大谷翔平(エンゼルス)に負けない能力を秘める。
細川成也(
DeNA)の弟・拓哉も、明秀日立で投打にわたりセンスを発揮している。
スラッガーでは右ヒジ手術からの故障明けとなる智弁和歌山・
林晃汰、名門・東海大相模で1年夏から四番を打った
森下翔太に注目。また、昨秋の中国大会1回戦で4本塁打を放った瀬戸内・
門叶直己の甲子園デビューも見逃せないところだ。
2018センバツ ドラフト候補
投手 細川拓哉 明秀日立 175センチ75キロ 右右
投手 齋藤礼二 東海大相模 173センチ64キロ 右左
投手 大谷拓海 中央学院 180センチ78キロ 右左
投手
扇谷莉 東邦 187センチ94キロ 右右
投手
定本拓真 三重 181センチ85キロ 右左
投手
柿木蓮 大阪桐蔭 181センチ84キロ 右右
投手
横川凱 大阪桐蔭 190センチ84キロ 左左
投手
平田龍輝 智弁和歌山 185センチ84キロ 右右
投手
土居豪人 松山聖陵 189センチ80キロ 右右
投手 市川悠太 明徳義塾 184センチ73キロ 右右
投手
川原陸 創成館 184センチ78キロ 左左
捕手 池田翔 中央学院 180センチ76キロ 右右
捕手 小口仁太郎 智弁学園 183センチ75キロ 右右
内野手
増田陸 明秀日立 178センチ72キロ 右右
内野手
中川卓也 大阪桐蔭 175センチ75キロ 右左
内野手 根尾昂 大阪桐蔭 177センチ77キロ 右左
内野手
山田健太 大阪桐蔭 183センチ83キロ 右右
内野手 林晃汰 智弁和歌山 180センチ90キロ 右左
内野手
小幡竜平 延岡学園 180センチ73キロ 右左
外野手 森下翔太 東海大相模 180センチ77キロ 右右
外野手 藤原恭大 大阪桐蔭 181センチ76キロ 左左
外野手 門叶直己 瀬戸内 183センチ90キロ 右右
外野手
谷合悠斗 明徳義塾 179センチ81キロ 右右
写真=BBM