今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 本文巻頭は『三原・川上の川中島決戦は開始され』
今回は『1961年1月18日新年特別号』。定価は10円アップで40円だ。巻頭グラビアは巨人・長嶋茂雄のオフ。里帰りの密着もあった。連載『誌上野球室』は巨人・
王貞治のいわゆる“二本足打法”時代である。ベタ足で、1つのスイングだけでは分からないが、打つ際にグリップが大きく下がるのが気になる。
本文巻頭は『三原・川上の川中島決戦は開始され』。
三原脩、
水原茂監督は「巌流島決戦」と言われ一世を風びしたが、これは果たして定着するか。言い始めたのは、野球評論家・
大和球士のようだ。ドンとかまえる武田信玄のような大洋・三原監督に対し、斬り込んでいく上杉謙信のような巨人・
川上哲治ということだが、三原信玄はともかく、川上謙信には無理があるのでは。
『1961年12球団の戦力検討』は、大井広介と匿名の球界隠士の対談形式で12球団を切っていくネタ話らしい個所もあったが、どうやら球界隠士はセ会長・鈴木龍二らしい。当時、大井、鈴木は小誌の顧問だった。
毎日が経営から撤退した大毎のニックネームは、という話もあった。当時の噂では東京ヤンキース、東都ドジャースが上がっていたらしい。永田雅一オーナーの性格なら即決してもおかしくなかったが、しばらく大毎でいたのは、なぜだろうか。
座談会は豪華だ。巨人・長嶋茂雄、大洋・
近藤和彦、国鉄・
金田正一、東映・
土橋正幸、大毎・
山内和弘、
阪神・
小山正明。やはりカネやんがいい発言をする。
「(セの最下位の)国鉄の監督が(パの優勝)大毎へ行って優勝する。コマをそろえれば、監督はバカだって優勝できますわ。選手が働けば」
「入ったときの素直さがあれば、こんな悪いチームになりやせん。監督は監督になったときの気持ちを忘れなかったらいい。選手は選手になったときの気持ちを忘れなければうまくいくんですよ」
監督の動向ばかり騒がれるのが嫌だったのかもしれない。今回の座談会のメンツでも金田に突っ込んでいたのは、山内だけだった。
以下、宣伝。
週べ60年記念シリーズ『巨人編』が好調発売中。次回、
日本ハム編も佳境です。今回は巨人編に比べ、ややくだけた企画もあります。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM