駒大苫小牧・大西海翔[投手/3年]

駒大苫小牧・大西海翔
下克上エースが大きな自信を胸に甲子園へ乗り込む。
「スピードがなくても、コーナーを突けば簡単には打たれない」
明治神宮大会では初戦敗退も、大阪桐蔭との2回戦で8回を8安打4失点(自責2)完投。120キロ台後半の直球に緩いカーブ、スライダー、チェンジアップを織り交ぜ、中軸3人を1安打に封じてみせた。
江別第一中時代は地区大会1回戦負け。それでも甲子園優勝経験校を選んだ。昨夏までは6番手の投手。新チーム結成時もメンバー外のBチームで、投げても敗戦処理が中心だった。
「真摯な取り組みを見て『1番』にした。心に芯がある」
佐々木孝介監督の思惑どおり、エース番号を意気に感じた右腕は急成長を遂げた。
秋の道大会決勝前、指揮官に提出した野球ノートに「監督を男にする」と書いてマウンドへ。6回5失点で降板したが、9回に再登板し、旭川実の反撃を2点に抑えて誓いを果たした。
オフは初めてスケート練習を導入するなど、体のバランス強化に没頭。不慣れなメニューも甲子園につながると信じている。
写真=BBM