
キャンプ中も精力的に選手に指導し、コミュニケーションをとっていた阪神・金本監督(右)
オープン戦1試合を残してた3月24日時点で2勝(12敗1分)しかできなかった阪神。四番候補の
ロサリオや若手の
大山悠輔、
中谷将大などの打撃陣が不振で、先発投手の
藤浪晋太郎に
岩貞祐太などもピリッとしない。阪神ファンもシーズンは大丈夫? と思ってしまうだろう。
話はキャンプ中になるが、この阪神キャンプを取材した野球解説者のデーブ大久保氏が
金本知憲監督と会話をしたときに「コーチ陣に任せていますので」と全幅の信頼をしていたことに、驚いたと語っていた。また、同じく野球解説者の
佐伯貴弘氏は「コーチ陣全員が『金本監督の考えは……』と答えるんです。金本監督はチームをしっかり統率されていると思いました。できそうでなかなかできないことです」と。
解説者2人とも「首脳陣が同じ方向性にあるチームは強くなっていく」と話す。2人ともコーチを経験しているだけに、説得力はある。一般社会でも、トップの意向を共感できる組織には結束力があり、いい働きをするものだ。
結果的にオープン戦では低迷しているが、シーズンが始まり選手たちそれぞれの調子が上がってきたとき、阪神はチームが一つとなり真の強者になっている可能性はある。その意味でもシーズン開幕を楽しみに待ちたい。
文=椎屋博幸 写真=小山真司