今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『16番監督川上の初陣』
今回は『1961年4月24日号』。定価は30円だ。いよいよシーズン開幕。グラビアでも熱戦の様子が報じられている。センターグラビアでは『与那嶺仕返しの一打』。
川上哲治監督就任で戦力外となった
与那嶺要が、移籍先の中日の一員として開幕戦で古巣
巨人と対決し、見事、決勝弾を放った話が掲載。
「巨人ナインは全部友達だから照れ臭かったよ」と言いながらも、川上監督の話になると、「カワさんのこと、何も言いたくない」と表情を硬くしている。
その巨人は開幕から打撃不振。キャンプで話題となったベロビーチ仕込みのダウン・スイングが不発のようだ。中日ベンチからも盛んにヤジられまくった挙句、「ダウン・スイングでは舌をかみそうだ。あれはダンシングだ。巨人はダンシング・チームでいい」となった。
『今週の話題』で「投手の投球回数制限」について触れられていた。近年、西鉄・
稲尾和久、巨人・
藤田元司、南海・
杉浦忠らの失速で投手の投げ過ぎが問題視され、パ・リーグで290イニング以内の申し合わせをしたという話だ。ただ、罰則もなく、実際にはまったく守られなかった。
1つすごいのは、失速と言いながらも60年、藤田以外の2人は稲尾が20勝、杉浦が31勝ということだ。考えてみれば、上限が290ということ自体、すさまじい。
選手側として杉浦のコメントがあった。
「われわれ選手は、監督が出ろといえば出なければならない身です。それが選手というものですよ。だから290イニングと言われてもピンとこないわけですよ、現実には」
確かにそうだ。
また、以前「寒くて試合ができないのでは」と言われた大毎-東映の開幕戦ナイター(後楽園)の話を紹介したが、16度5分という陽気と
水原茂東映新監督の人気で2万5000人と、まずまずの入りだった。
以下、宣伝。
週べ60年記念シリーズ『巨人編』『
日本ハム編』が好評発売中です。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM