
ONを超える男と期待されていた
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月6日だ。
プロ5年目、1990年に
西武・
清原和博は、打率.307、37本塁打、94打点。
巨人・
王貞治の通算本塁打868号も狙う、近未来の超スーパースター。誰もが、単なる通過点と思ったが、結果的に37本塁打は自己最多、そして打率もまた、規定打席では自己最高となる……。
迎えた91年、清原は初の打撃タイトル獲得に向け、燃えに燃え、そして開幕戦から爆発する。
4月6日、
ロッテ戦(西武)だった。1回裏、
小宮山悟の3球目をとらえ、前年に続く開幕戦初打席アーチ。大きな弧を描いた打球がスタンドに飛び込むと、西武球場名物の花火が華々しく打ち上げられた。
さらに6回にも2本目のアーチをバックスクリーンに。史上初の開幕戦2年連続2本塁打となった。
「今年は打てると思わなかったからめちゃくちゃうれしい。苦手な小宮山さんだし(前年.143)、不安が大きかった。夜に配球パターンを考えたが、いくら考えても答えは出んかったから、バットを寝床の横に置いてスパッと寝たわ」(清原)
前年オフ、清原は史上最年少の1億円プレーヤーに。開幕戦での2本のアーチは、「新ミスタープロ野球」にふさわしいものに思えたのだが。
写真=BBM