これは週べ編集部の逡巡と決断をつづった超不定期連載である。たぶんに言い訳がましい内容が含まれているので興味ない方は読み飛ばしてください。 順位変化の激しいセ・リーグ

高橋遥人は見事だった。一瞬、表紙とも思ったが……
……で、実は、いま大変困っている(4月13日23時30分)。
来週発売、今週作業号の話である。本誌は基本、毎週水曜日発売。メーン特集は「12球団の焦点」と決め、首位球団にはたっぷりページを割きつつ、12球団の収穫、誤算を整理しようと決めていたが、試合数が少ないことに加え、セの順位の変化が、あまりに目まぐるしく変わるので企画が絞り切れない。
まず、今週号発売の4月10日、水曜日に編集会議を行ったのだが、ひとまずパ・リーグは、開幕8連勝の
西武を軸とし、下馬評が低いながら同率2位だった
日本ハム、
ロッテからは、打率4割に挑む日本ハムの
近藤健介の凄みに迫る企画、ロッテでは新人ながらスタメンに名を連ねる新人コンビ、
藤岡裕大、
菅野剛士の対談を入れようとなった。
対してセ・リーグは、3連覇を目指す
広島と最下位からの逆襲を期す
ヤクルトが同率首位。広島は「どこがカープを止めるのか」、ヤクルトは「この強さは本物か」をテーマとし、
巨人の「
上原浩治の無失点はいつまで続くのか](4試合継続中)、チーム打率.212の
DeNAの「湿ったベイ打線はいつ目覚めるか」も入れていこうか、となった。
もちろん、これらは暫定案だ。すんなりいくとはわれわれだって思っていない。
ただ、早々に誤算。この日の夜、DeNA戦(東京ドーム)で巨人・上原が、まさかの3失点となった。逆にDeNA打線は元気が出始める。パでは西武の連勝がストップした。なんだかいやな予感がする……。
翌11日、
阪神が新人・高橋遥人が7回無失点の好投で広島を破り、首位に浮上。個人的には、高橋遥の甲子園での初登板初先発初勝利が阪神では1959年、
村山実以来と知り、うれしくなった。制作中の「週べ60周年記念企画阪神編」(4月下旬発売予定)で天覧試合前の新人村山の記事をたっぷり打ち込んだばかりだ。
広島は4連敗。カープ人気にはあやかりたいが、これではあまりポジティブな企画は作れない。「いっそ、阪神特集にしてしまおう」の声も上がる。うんうん、それもいい。阪神ファンも熱いから。パは西武がロッテに連敗だが、V打は菅野だ。これもうれしい。さらに、すでにインタビューを終えていた
中日の新人・
鈴木博志が5試合連続無失点となった。再来週号予定だったが、この号に入れてしまおう。10日に完封した
柳裕也をはじめ中日の若手投手陣は、
松坂大輔効果なのかイキイキとして見える。
12日の木曜日は、ロッテが西武に先制し、藤岡、菅野対談を巻頭に回すのも面白いかと思ったら、西武が逆転勝ち。さすが
辻発彦監督だ。しぶとい。阪神は先発の
メッセンジャーが暴言で退場し、広島に負けて首位陥落。ただし7勝で首位の広島の後、6勝が4球団の大混戦だ。DeNAの新人・
東克樹にプロ初勝利を許した巨人は、4勝8敗で、14年ぶりにセ界の借金を丸抱えすることになった。
こうなれば「どうする巨人! 早くも1975年以来の最下位のピンチ」にしようかと思ったが、翌13日の試合で巨人は広島に大勝。最下位のままながら、やや上がり目も見えてきたような。そしてそして、……今度の首位はDeNAだ。もう!
週刊誌には流通の関係もあり、本が刷り上がってすぐ売るわけにはいかない。週べの場合、今号の最終入稿締め切りは4月16日、月曜の早朝7時だ(その後は校正作業。編集用語については、おいおい説明してもいいのですが、興味ありますか?)。まだセ、パともに2試合が残っている。特にセは、どうなるか分からない……。
さすがに決断すべき時期ではあるが、ここまできたら意地だ。デザイナーにも待ってもらい、ページ割りもいまだ未定のままとしている。要は、どんな号にするのか、どんな表紙にするのか、まだ決めていないということだ……。
ほんと参った……いや、違う。実は編集部はみんなワクワクしている(よね?)。どんな構成にしようか、どんな記事にしようか。最後までジタバタしながら考えよう。みなさん、発売日まで楽しみにお待ちいただきたい。
文=井口英規 写真=松村真行