長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 体感速度は速かった

球の出どころが見えにくい独特のフォームだった
ストレートのマックスは135キロ程度ながら、球の出どころが見えにくい独特のフォーム、球のキレ、そして緩急を使って真っ向勝負で2041の奪三振を積み上げた
星野伸之(
オリックスほか)。
スピードガンはともかく、体感の速度では「星野のストレートは速かった」という打者はかなり多い。球種はストレートとカーブ、フォーク。ストレートとカーブは球速を変えてバリエーションを増やしていったという。
彼には少しショックだった事件がある。1990年9月20日、
日本ハム戦だった。先発の星野が
田中幸雄に投じたカーブがすっぽ抜け、外角に外れた。それを捕手の
中嶋聡がミットではなく、右手でひょいとつかんでしまったのだ。
「すいません。ミットを動かしたけど届きませんでした」とひたすら謝る中嶋だが、両軍ベンチだけでなく、審判も笑いをもらす珍シーンになってしまった。
写真=BBM