長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 小学生のときの体験が……
かつて、巨人の王貞治が「僕のサインなんて、そんなに価値はないんじゃないかな」と言ったことがある。
謙遜ではない。要は、それだけたくさんのサインに応じているということだ。実際、少し昔の話になるが、春のキャンプ地だった宮崎では、野球好きの子どもたちのほとんどが王のサインを持っていたという話(伝説?)を聞いたことがある。
王ができるだけサインを断らないようにしようと決めたのは、ある選手の影響がある。かつて小学生のときに後楽園球場に観戦に行った際、巨人の多くの選手にサインを断られ、寂しい思いをしたが、一人だけ気さくに応じてくれた選手が
与那嶺要だった。
王はそのとき「自分が将来、プロ野球選手になることができたら、与那嶺さんのように、子どもたちのサインを断らないようにしよう」と誓ったのだ。うん、いい話だ。
写真=BBM