今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『長嶋ジャイアンツ? 権藤ドラゴンズ?』
今回は『1961年9月4日増大号』。定価は10円上がって40円だ。グラビア巻頭はセの首位争いをしている
巨人-日戦(中日球場)。8月22日は中日のサヨナラ勝ちで、サヨナラの打の
江藤慎一が泣きながら
濃人貴実監督と抱き合った写真からスタートしている。
本文巻頭も『長嶋ジャイアンツ? 権藤ドラゴンズ?』。巨人の四番で打撃三冠のトップに立つ
長嶋茂雄、新人ながら中日のエース・権藤博を軸に、この天王山決戦をリポートするものだった。巨人は7月末からの10連勝で2位以下を引き離す首位に立ちながら、8月に入って負けが込み、中日に抜かれ2位転落。この22日からの3連戦も1勝2敗と負け越した。中日の残り試合は43試合、濃人監督は現在24勝の権藤が35勝できれば優勝が狙えると話している。
濃人監督の話は何度か書いているが、今回も強烈な逸話があったので紹介しよう。『期待にこたえる二人の新人投手~権藤博、
徳久利明』(徳久は近鉄投手)の中に、権藤が1回だけ濃人監督に雷を落とされた話が出ている。それは
阪神戦の途中だった。前日、13回を投げた権藤は、きょうは自分の出番がないと思い、途中ベンチから抜け出し、サロンで一服していた。しかし、そのとき先発の
板東英二が崩れてしまう。濃人監督は権藤を探すが、姿が見えず、しばらくしてベンチに戻ったとき、「ゴン、何をしておるか、キャッチボールだ」と怒鳴りつけた。試合後の濃人はこう言った。
「権藤を使うときは、勝てる自信があるからだ。だからワシも権藤の登板にはそれだけ細心の注意を払っている。きょうの場合もあと1回か2回だ。やはり権藤で逃げるよりほかに手がないし、あらかじめ権藤にそれを言ってあった。またコーチもこの意図を知っているはずだから、たえずそのつもりでいてくれなくてはいかん。そりゃワシも木石じゃないのだから、権藤の健闘には感謝している。心の中では両手を合わせていつも礼を言っているのだ」
またセンターグラビアには、2年生エース、怪童・
尾崎行雄を擁する浪商が夏の甲子園を制したという記事があった。
以下、宣伝。
週べ60年記念シリーズ『巨人編』『
日本ハム編』が好評発売中。第3弾の『阪神編』も鋭意制作中です。
では、またあした
<次回に続く>
写真=BBM