ここ3試合で一気に6盗塁
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21試合目の4月28日の初回に今季初盗塁を決めた糸井
4月26日、20試合を終わった時点で盗塁1。これは一打者の盗塁数ではない。
阪神のチーム全体での盗塁数だった。盗塁企画数も「2」という超消極的な? 攻撃だ。
金本知憲監督は「(相手投手の)クイックが速いから」という見解を示したこともあるが……。チーム初盗塁にして唯一は4月11日の8回裏、八番打者の
梅野隆太郎が、“必死のパッチ”で成功させたものだった。
しかし、だ。こんな記事を書こうとしているのを金本監督に察知されたのか? 4月28日の
広島戦(マツダ広島)では21試合目にして一昨年のパ・リーグの盗塁王の
糸井嘉男と一番に入った
上本博紀が盗塁を決め、チームトータルは「3」、さらに22試合目の29日同カードでも俊足の
植田海と、またも梅野が盗塁を決め、「5」となった。さらにさらにだ。続く30日の同カードでも植田、糸井が1盗塁ずつ。これで「7」だ。
したがって以下の分析はかなり説得力を欠くかもしれないが、まずは一番打者として15試合に入っていた
高山俊が盗塁を果敢にするタイプではなく、しかも出塁率も低く盗塁のチャンス自体が少なかったこと。三番の糸井の場合は、四番の
ロサリオが早打ちの傾向があり、走る機会を見つけられないこともあっただろう。チーム打率.226もセ・リーグ最低であり、むしろ相手に畳み掛ける際の戦略でもある盗塁という選択肢を選びにくかったのは間違いない。
ただ、この3戦を見る限り、金本監督は巻き返しに向け、“足”に注目し始めたようにも映るが、さてどうなるか。
写真=太田祐史