
淡々と塁を回る中村、淡々と腕を回す塁審
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は5月3日だ。
審判の判定に絶対はない。人間だから間違いものある。これは、いまなら確実にリクエストになるケースだった。
2003年5月3日、近鉄-
日本ハム戦(大阪ドーム)の8回裏一死一塁だった。日本ハムの
芝草宇宙から近鉄・
中村紀洋が放った打球は右翼ポール際の下段に飛び込む。一塁塁審は右手をぐるぐる回してホームランのゼスチャー。中村もいったんはダイヤモンドを1周した。
しかしここで日本ハム・ヒルマン監督が猛抗議で、審判団が集まり協議。その結果、「ファウル」となった。ただ、この打球、打った中村が、
「あれはファウル。見分けてくれんとねえ」というほど、はっきりしたファウルだった。
ミスジャッジに球場は一気にしらけたムードになったらしい。リクエストならそれこそ大喝采だろう。打ち直しの中村は四球。この試合、5四球はパのタイ記録だった。
写真=BBM