「ショウヘイにとって忘れられない思い出になったのでは?」

エンゼルス・キンズラー
エンゼルスで一番打者を務めるのが35歳のベテラン、イアン・キンズラー二塁手だ。
1982年6月22日生まれ、アリゾナ州トゥーソン出身。ミズーリ大から2003年ドラフト17巡目でレンジャーズに入団。06年の開幕戦に九番・二塁手で先発してメジャー・デビュー。09年(31本塁打、31盗塁)と11年(32本塁打、30盗塁)に30本塁打、30盗塁を達成。
トレードで14年からタイガース。昨年12月のトレードで今季からエンゼルス。オールスター戦選出4度、ゴールドグラブ賞受賞1度。183センチ、90キロ。右投右打。
――今季開幕2戦目で故障者リスト入り。4月12日に復帰したロイヤルズ戦で初回先頭打者本塁打を放って、いい形で再スタートが切れました。
キンズラー トレードで移籍してきた新しいチームで開幕早々に故障のため少し戦列を離れたけれど、いい滑り出しになった。チームも好発進できたし、4月の出来は上々だと思うね。
――チームは4月8日から14日まで7連勝。14日時点で13勝3敗と、3年ぶりで貯金が2ケタに達しました。まだシーズンの序盤ですが、ア・リーグ西地区で首位争いを演じています。チームの好調には
大谷翔平が貢献していると思います。
キンズラー 彼の活躍が大きな要素であることは確かだね。投げても打ってもチームのためになっているわけだから。こんな選手はちょっと見たことがない。ものすごい才能だ。体も大きいしね。それにいつも笑顔で楽しそうだから、こちらもいい気分になるよ
――4月3日のインディアンス戦の1回、大谷選手が先発のジョシュ・トムリンからメジャー初本塁打を放ったとき、「サイレント・トリートメント」を仕掛けましたよね。故障中とはいえダッグアウトにいたあなたは大谷選手に抱きつかれ、たまらず笑顔で応えていましたね。
キンズラー ショウヘイがホームを踏んでダッグアウトに引き揚げて来るときに目が合ったんだよね。祝福してほしがっていた彼は、僕のところに来たんだよ。みんなで無視して彼をびっくりさせていたわけだけど、背後から僕に抱きついてきたのがきっかけになって、みんな一斉に彼のところに寄って来て歓喜の輪が広がったというわけさ。彼にとっては忘れられない思い出になったんじゃないかな? 僕らもうれしかったよ。
――あなたはレンジャーズ時代に
大塚晶則投手、
上原浩治投手、
ダルビッシュ有投手ら日本選手と一緒だったことがありますが、日本の野球や日本の選手には何か印象がありますか。
キンズラー チームメートとして、また対戦相手として何人も日本人選手に出会ってきたけれど、誰もが真面目に一生懸命にやっているイメージがある。それに、ショウヘイもそうだけど、うれしそうにメジャーで野球をやっている感じがするよ。
取材・構成=樋口浩一 写真=Getty Images