
右足首捻挫で戦列を離れた時期もあった
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は5月16日だ。
今回は2013年だから、この連載としてはかなり最近の話になる。
同年5月16日、イースタン・リーグの
西武戦(鎌ケ谷)で
日本ハムの新人・
大谷翔平が登板。5回を7安打5失点と微妙な出来だったが、視察した
栗山英樹監督は、もう一度二軍で投げさせるプランを変更し、5月23日
ヤクルト戦(札幌ドーム)で一軍デビューさせることを明らかにした。
「あれだけの球を投げられて、カウント球で変化球を使える。課題は一軍にある」と栗山監督。
大谷はこれを受け、「ヤクルトは選手一人ひとりが調子いいと思う。でも相手より自分の投球をしたいと思います」と語った。すでに打者としての一軍デビューはすませていた大器の二刀流デビューが近づいていた……。
で、一気に時計の針を進めるが、同年は故障もあり、正直投打とも中途半端だった。というか、日本では最後まで中途半端にも見えた。しかし考えてみてほしい。彼はまだ23歳。しかも、2016年の日本ハム優勝、日本一は大谷なくしてはありえず、さらにいまは世界の頂点にいる。これを成功と言わず、何を成功というのか……。
われわれは、まさに比類のない天才を目撃しているのだ。
写真=BBM