
高校時代にセンバツで対戦している巨人・岡本とオリックス・田嶋。今年の交流戦で再戦はなるか
開幕から2カ月を迎えようとする中で、5月29日からセ・パ交流戦がスタート。同一リーグとの対戦がないため、順位変動にも大きな影響を与える18試合。対戦機会の少ないチームが顔を合わるだけに見る側の楽しみも多い。不慣れな球場への対応や、DH制の有無に対しての選手起用、さらにはパの投手の打撃が見られるなど、リーグ戦とは異なる一面が多くある。
“個の対戦”も楽しみの一つ。プロ入りが決まった際、新人たちには決まって「対戦したい打者は?」という質問が飛ぶなど、あこがれの選手との対戦を待ち望む選手も多いはずだ。
そんな中で、オリックスのドラ1左腕・
田嶋大樹は、やや異色だ。プロ入り前のJR東日本時代に彼を取材した際“お決まりの質問”をぶつけてみると「プロ野球をあまり見ていないので」と、特定の選手の名を挙げることはなかった。対戦相手より、“多くの人の前で投げられること”を楽しみとしていた左腕だが、会話を交わす中で初めて特定の名前が出てきた。
「高校時代、岡本(和真・現巨人)との対戦は楽しかったですね。注目されている打者だったので、球場も独特の雰囲気でしたから」
振り返ったのは2014年のセンバツ2回戦。大会No.1左腕の佐野日大・田嶋と、大会ナンバー1スラッガーの智弁学園・岡本との対戦に、熱視線が注がれていた。ちなみに、対戦結果は4打数1安打2三振。試合は延長10回サヨナラの5対4で田嶋を擁する佐野日大が勝利している。
あれから4年。高卒で巨人に入団した岡本から3年遅れ、オリックス入りした田嶋。1年目から先発ローテを守っている左腕は、早々に“再戦”の機会が訪れるかもしれない(オリックス対巨人は6月1~3日の京セラドーム)。
普段とは異なる対戦を堪能するのも楽しみ方。交流戦の開幕まで、11日。少し早いが、今から、かつてのチームメートや、アマチュア時代の“再戦”などをチェックしておけば、個の対戦も違った見方ができるだろう。
文=鶴田成秀 写真=BBM