今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 「ホップしたり落ちたりするから危ない」
今回は『1962年3月12日号』。定価は40円だ。表紙は巨人・川上哲治。これまでが自由過ぎたとも言えるのだが「哲のカーテン」と呼ばれる取材規制で報道陣に嫌われていた。ちなみにこれは米と西欧、東欧の間の緊張感を英首相チャーチルが「鉄のカーテン」と表現したことから来る。面白いことに、従来むしろ取材規制派の先鋒だった大洋・
三原脩監督は、川上巨人の取材規制がマスコミで話題になったことあってか、「うちはそんなバカバカしいことはしない」とばかり放任的になっていたらしい。
グラビアは今回もにぎやかなキャンプ風景が並ぶが、2月25日には高松でオープン戦も行われた。カードは高松の東映-南海戦だ。注目は9回1イニングだけ投げた東映の新人・
尾崎行雄だ。無失点には抑えたが、緊張もあってか、出来は今一つだったようだ。
「やっぱり固くなりました。恥ずかしいピッチングだったけど、今度投げさせてもらえたときは、もっと試したいです」と尾崎。
新人ではむしろ社会人出の巨人・
城之内邦雄の評価がうなぎ昇り。ブルペンで城之内が投げると、近くでほかの投手が投げたがらなかったらしい。要は、あまり速すぎて、自分の球が遅いように見られるからだ。しかもフォームが変則的で、かつ、ほぼ全球が変化するらしい。何しろ正捕手の森昌彦が、「僕は彼の球を受けないようにしています。ホップしたり落ちたりするから危ない。僕がいま突き指したらチームが大変ですから」と言っているくらいだ。
別所毅彦投手コーチも「背番号15と同じ15勝をノルマにしても大丈夫だと思う」と称賛していた。
東映には韓国から
白仁天捕手が加入した。在日韓国人選手はたくさんいるが、韓国球界からの加入は初めてだ。2年後に兵役があるので、それまでの在籍予定。日本語はあいさつ程度しか話せなかったようだ。スピードスケートでは500、1500メートルの韓国チャンピオンだったらしい。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM