たび重なる故障を乗り越えて

エンゼルス・リチャーズ
今週はエンゼルスの
ギャレット・リチャーズ投手のインタビューをお届けする。
2014年13勝4敗、15年15勝12敗と、2年連続で2ケタ勝利。その後は右ヒジの故障などで16年から昨年までの3年間で計4勝(6敗)と苦戦した。今季は開幕投手を務め、4月終了時点で3勝1敗、防御率4.88。
1988年5月27日、カリフォルニア州リバーサイド生まれ、オクラホマ州エドモンド育ち。オクラホマ大から09年ドラフト補完1巡目(全体42人目)でエンゼルスに入団。11年8月10日のヤンキース戦でメジャー・デビュー。160キロ近い速球が武器。コントロールが課題。190センチ、95キロ。右投右打。
――今季は2年ぶりで開幕投手を務め4月終了時点までに3勝を挙げました。シーズンを快調にスタートした感想を聞かせてください。
リチャーズ 気分は最高だよ。グラウンドに帰ってこられて、とてもうれしい。チームメートの顔を見て、一緒にプレーできるのはやはりいいものだ。ここのところ、故障で満足なシーズンが送れなかったからね。
――2014年の8月2日のレッドソックス戦で一塁ベースカバーに入った際に左ヒザのじん帯を痛めて離脱。16年5月には右ヒジ内側側副じん帯の損傷が見つかり、長期離脱となりました。
リチャーズ 大変な故障が続いて、本当についていなかったね。故障そのものが大変だったうえに、精神的にもきつかった。昨季はヒジ以外の理由(右上腕二頭筋の故障)だったけれど、それだけに、今年体調がいいのは本当にうれしいね。
――右ヒジのじん帯を損傷したときにはトミー・ジョン手術がここのところ一般的でした。しかし、あなたは手術を回避し、幹細胞療法を選択しました。なぜ幹細胞療法を選んだのですか? 手術がイヤだったのでしょうか。
リチャーズ 手術がどうしてもイヤだったというわけではない。多くの医師のアドバイスを聞いて決めた。PRPよりも幹細胞療法のほうが、成功率が高いということだった。
――チームメートのアンドリュー・ヒーニーも16年にヒジのじん帯を痛め、幹細胞療法を受けたものの効果が出ず、結局トミー・ジョン手術を受けました。
リチャーズ 向き、不向きとか、運があるということだね。僕の場合は幹細胞療法がよかったということなんだろうね。
――ところで、このインタビューは日本の野球雑誌に掲載するので
大谷翔平選手の印象を聞かなければいけません。
リチャーズ それはそうだよね(笑)。お世辞抜きに、彼はすごいよ。普段の打撃練習を見ているだろう? あの飛距離には本当に驚くよ。メジャーの強打者と比べても見劣りしない。いや、見劣りしないどころか、あれほど飛ばす選手はなかなかいないんじゃないかな。投手としてもすごいしね。
取材・構成=樋口浩一 写真=Getty Images