今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 ハイティーンの英雄・尾崎行雄
今回は『1962年5月21日号』。定価は40円だ。この号も巻頭から「素晴らしき17歳尾崎投手」と東映・
尾崎行雄の特集から始まる。ここまで6連勝だったが、5月8日の大毎戦(後楽園)では親指の爪を割ったこともあり、初黒星を喫した。50の質問というコーナーもあったが、妙な質問に妙な答えもあった。
──もし目の前で飛び込み自殺をしようとした人がいたら。
えらい質問やな。僕だったら、つかまえて殴り飛ばしてやる。あれ、殴るのよくきくらしいですよ。
う~ん、そんなによくあったのか。
尾崎に対する各チームの主力打者の言葉もある。西鉄・
高倉照幸のように、
「高校中退の子どもの球が打てないとは情けない。いったい俺は野球を何年やってきたんだ。情けないよ」
と嘆く声が多い中、南海・
野村克也は独特だ。
「攻略法? オレなんかとは契約金が違うからな。俺が打ったら悪いだろ」
さすがノムさんだ。尾崎は当時4000万円の契約金とも言われた。前も書いたようにいまの金額との比較は難しいのだが、4億円程度の感覚だろうか。
捕手とレフトの二刀流をしていた
中日・
江藤慎一が
佐々木信也との連載対談に出ていた。
この年から外野とともに入団時にやっていた捕手との併用となり、打者としても四番で打ちまくっていた江藤。ただ、困っているのが、
濃人貴実監督が、その日、外野か捕手かを試合前まで教えてくれないことだという。
「どっちか一本にしてくれたほうが楽ですな」とこぼしている。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM