セとパで野球のスタイルが違う

ソフトバンクの柳田など、パ・リーグにはフルスイングを武器とする強打者が多い(写真=BBM)
5月29日からセ・パ交流戦が始まりました。昔から「人気のセ、実力のパ」と言われていましたが、両リーグでプレーした私の経験上、野球のスタイルは確かに違うと思います。
パ・リーグの特色として昔から豪快にフルスイングする打者が多いです。ソフトバンクの
柳田悠岐選手、
西武の
山川穂高選手、
浅村栄斗選手、
オリックスの
吉田正尚選手はその代表格だと思います。セ・リーグでああいう選手がなかなか出てこないのは1点をコツコツ取る緻密な野球が重視される方針に加え、ドラフトで選手を獲得する球団、スカウトの方針に拠るところが大きいと思います。
また、パ・リーグは少々制球が荒れていても、150キロ以上の直球を投げる選手がゴロゴロいます。セ・リーグは狭い球場が多いため、投手は長打を防ごうと球速より制球力、変化球の精度を重視する傾向があります。打者心理からすると制球がある程度まとまって逆球が少ないため、思い切って踏み込んで打てます。一気に大量得点を奪うパ・リーグの野球が交流戦でセ・リーグを圧倒するのはこのような要因があるからだと思います。
私もフルスイングする打撃スタイルだったので、山川選手、柳田選手、吉田選手、浅村選手のような豪快な打者が好きです。交流戦でどういう打撃をするか楽しみですね。
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中村紀洋(なかむら・のりひろ)
渋谷高で2年夏の90年に「四番・投手」で激戦区の大阪府予選を勝ち抜き、同校初の甲子園出場に導く。高校通算35本塁打。92年にドラフト4位で近鉄バファローズに入団し、「いてまえ打線」の四番として活躍した。2000年に39本塁打、110打点で本塁打王、打点王を獲得。01年も132打点で2年連続打点王に輝き、チームを12年ぶりのリーグ優勝に導く。04年に日本代表でシドニー五輪に出場して銅メダルを獲得。メジャー・リーグ挑戦を経て06年に日本球界復帰し、07年に
中日で日本シリーズMVPを受賞した。13年に
DeNAで通算2000安打を達成。15年に一般社団法人「N’s method」を設立し、独自のMethodで子ども達への野球指導、他種目アスリートを中心にトレーニング指導を行っている。17年には静岡・浜松開誠館高校で硬式野球部の非常勤コーチに就任。高校生の指導に力を注ぐ。
記事提供=ココカラネクスト編集部 平尾類 ココカラネクスト編集部