
ファンの声援に応える館山
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月12日だ。
今季一軍では3戦3敗と振るわず、二軍生活が続く「松坂世代」の一人、
館山昌平。今回は、彼の2008年6月12日の登板をプレーバックしよう。
この日、
楽天相手(Kスタ宮城)に先発した館山は7回を投げ6安打1失点。毎回のように走者を背負いながら、丁寧に打たせて取るピッチングで、チーム勝ち頭の
石川雅規に並ぶ6勝目を手にした。「守備でいいプレーがいっぱいあった。バックを信頼して打たせていきました」。
決して順調な幕開けではなかった。3月16日の楽天とのオープン戦(神宮)では4回を投げ7安打5失点と乱れた直後に右肩違和感を発症。検査では異常は認められなかったが、開幕には間に合わなかった。
ファームでの2度の調整登板を経て、一軍に復帰したのは4月16日の横浜戦(神宮)。5月1日の
阪神戦(甲子園)で今季初勝利を挙げて波に乗ると、そこから自身初の6連勝と十分に出遅れを取り戻す活躍を見せている。
「野手が点を取ってリズムをつくってくれている。たまたま僕に勝ちがついているだけですよ」
本人は謙遜するが、いい流れは自ら作り出している。前年までより投球間隔を短くし、テンポのいい投球を実践。
荒木大輔コーチは「テンポのこともあるけど、直球がしっかりしている。コントロールも球威も」と分析した。
これは9年前のニュースではあるが、館山、石川ともいまだ現役。1学年上の石川は、今季3勝2敗をマークしている。世代のリーダー、
松坂大輔(
中日)も復活。不屈の男・館山にも、もう一花を期待しよう。
写真=BBM