
16日のオリックス戦(京セラドーム)、11回表に右中間へ決勝打となる適時三塁打を放った神里
6月15日、オリックス戦(京セラドーム)のスタメンから「
筒香嘉智」の名前が消えた。理由は「背中の張り」で、現時点でフリー打撃を再開したとはいえ、3戦を欠場。ロペス(左太腿痛)、
梶谷隆幸(腰痛)、
ソト(体調不良)に続く、痛すぎる主力の離脱となったことだけは間違いない。
互いにクリーンアップに座り、
DeNA打線をけん引してきた筒香とロペスがそろって不在なのは、2015年6月3日
ソフトバンク戦(横浜)以来3年ぶり。さらに筒香、ロペス、梶谷という看板選手3人の名前がスタメンにないのは、ロペスが加入した15年以降では初めてのことだった。
オリックスとの初戦(15日)、打線は11安打を放ったが3得点とつながりの悪さを露呈した。2戦目(16日)は延長11回に
神里和毅の決勝タイムリーでからくも勝利するも、わずか3安打。レギュラークラスで先発したのが、
宮崎敏郎、
大和のみというラインアップでは迫力不足は否めず、“横須賀”(二軍の本拠地)ベイスターズと嘲笑されても、仕方のない陣容だった。
そして3戦目(17日)は相手の先発、左腕ルーキー・
田嶋大樹の前に6連続三振を喫したのをはじめ、オリックス投手陣に4安打1失点に封じ込まれてしまった。
ラミレス体制となって3シーズン目。これほど離脱者が出たのは初めてのことで、指揮官が就任した16年以来、最悪のチーム状態にあると言っていい。さらに、投手陣では交流戦の最終戦で先発予定だった
ウィーランドが上半身違和感で登録抹消。オリックス戦の3戦目で6失点KOの
今永昇太の二軍再調整も決まり、ラミレス監督の悩みは深い。
とはいえ、まるで“野戦病院”の状態は、一軍で生き残りをかける選手たちには千載一遇のチャンスとなる。彼らの中でチームの救世主となるのは誰か──。オリックスとの2戦目で決勝打を放った神里はいわずもがな、1戦目で今季1号アーチを放ち、翌日から「五番、一塁」でスタメン起用される
中川大志、そして1戦目の9回表に代打で登場すると右安打を放ち、2戦目で決勝点につながる犠打を決めた
関根大気もひさしぶりに一軍の舞台で存在感が光った。
現時点で交流戦の成績は、7勝9敗0分け、勝率.438(8位)。ラミレス監督は、「一軍にいない選手のことを考えても仕方がない。今いる選手でしっかりベストを尽くす」と前を向き、厳しい状況を既存戦力で乗り切ることがチームの底上げにつながると考えている。
交流戦は18日
西武戦(横浜)、19日
楽天戦(横浜)を残すのみ。この2試合に勝てば、当初、目標としていた交流戦での「勝率5割」に手が届く。指揮官が繰り返し口にするように「どう始めるかより、どう終わるかが重要」なのだ。
文=滝川和臣 写真=佐藤真一