
お立ち台での2人。右から岩隈、田中
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月22日だ。
前年3位となった
楽天だったが、今季は投打の歯車がかみ合わずダントツの最下位。ついに
梨田昌孝監督が辞任となった。
2005年結成の楽天。2013年、
星野仙一監督による優勝、日本一は記憶に新しいところだが、Aクラス入りは、この日本一と梨田監督の17年を除けば2009年の1年しかない。
野村克也監督の4年目、投手には現メジャー・リーガー、
岩隈久志、
田中将大がいた(岩隈13勝6敗、田中15勝6敗)。
今回はその前年、2008年6月22日の出来事だ。
この日、交流戦最終盤、
広島戦(広島)で、初めて岩隈─田中のリレーが実現した。
2008年の交流戦は大混戦となり、楽天にも優勝の可能性はあったのだが、この前戦18日の敗戦で可能性が消えた。ちなみに野村監督にとって、これが1454敗目。
三原脩(西鉄ほか)を抜く、歴代単独最多敗戦となった。
「おそらく不滅やろ。名を残したな、汚名を。俺らしくていいんじゃないかな」と野村監督。73歳の誕生日も目前だった(6月29日)
その後、21日が流れ、22日は日曜日の試合となった。
翌月曜の試合が楽天にとって交流戦ラストゲームで、再開まで3日空くことも豪華リレー実現の背景にあったのだろう。
先発の岩隈は6回1失点で交代し、7回から田中がロングリリーフ。プロ2年目で初のリリーフだった田中は、「初めてなのでとにかく緊張しました」と立ち上がりはスライダーが決まらず苦労したが、
東出輝裕、
前田智徳連続三振でギアが入った。
8、9回は6人で片付け、3イニング無失点でプロ初セーブ(3対1。田中は日本時代3セーブ)。
「相手チームへの応援が盛り上がったところでポンと出てくる。岩隈さんの勝ちを消さなくてよかった」と笑顔を見せた。
一方の岩隈は、広島・ルイスとの“10勝対決”を制し、11勝目。同年は21勝4敗、防御率1.87で最多奪三振(
ソフトバンク・
杉内俊哉)以外の先発投手のタイトルを総なめしている。
写真=BBM