
ナインとともに記念撮影。野村は中央
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月23日だ。
2005年6月23日、
広島・
野村謙二郎が本拠地・広島市民球場で2000安打を達成した。1880試合目での記録達成。プロ野球史上33人目、広島生え抜きの選手では
衣笠祥雄、
山本浩二に次ぐ3人目で、東都(駒大)出身選手では初の偉業でもある。
この日の
ヤクルト戦では、野村が打席に入ると「2000Hits」と書かれた赤いボードが一斉に掲げられ、スタンドは赤く染まった。野村はその光景に「足が震えた」と言う。
4回裏、第2打席だった。ヤクルト・
川島亮が投じた135キロのカットボールをたたいた打球がレフトの
ラミレスの前に落ち、記録達成だ。
17年目の達成。89年にドラフト1位で広島に入団。99年5月19日の1500安打達成は史上4位のスピード記録だった。このとき2000安打まで、これほど長くかかるとは思わなかったはずだ。
しかし、相次ぐケガに苦しめられ、ペースが一気にダウン。その中で貫いた信念が「勝利につながる一打を打ちたい」だったという。
印象に残る一打を聞かれ「1999本目」と答えたのも野村らしい。前日の同カードに3安打を放ったのだが、その3本目だ。
最後の打席、今日はもう自分には回ってこないだろうとも思ったところで、仲間たちがつないでくれた。打席に入るとき、「たぶん、ありがとう、と言葉にした」と振り返る。
写真=BBM