
試合後、花束とウイニングボールを手にした王監督
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月28日だ。
「あんまりこういうボールは持ってないんだけど、これだけは持って帰るよ」
ダイエー・
王貞治監督は、そう言って満面の笑顔を浮かべた。就任3年目、1997年7月28日のことだった。
福岡ドームでの近鉄戦で監督通算500勝目を達成。試合後、ウイニングボールとダイエー中内オーナーからもらった花束を手に、ファンの歓声に応えていた。
勝ち方もよかった。福岡ドームに移転後、ダイエー最多の21安打18得点を挙げての快勝。豪快に打ち勝つ野球をめざす王監督らしい節目のゲームとなった。
巨人時代を通じ、監督として8シーズン目。前年は最下位に沈み、「生卵事件」の屈辱もあったが、この年は現時点で3位(最終的には4位)。チームの成長を少しずつだが、感じ始めていた時期でもある。
500勝はプロ野球史上22人目、現役指揮官では5人目だった。
写真=BBM