
グラブ着用のままヒーローインタビュー
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は8月13日だ。
1992年、駒大から推定ながら当時史上最高の契約金1億3000万円で福岡ダイエーホークスに入団した
若田部健一。
8月13日は、若田部が
西武戦でプロ初完封を飾った日である。
西武戦に完封だけでニュースなのか、と言われそうだが、西武戦での新人完封は、1982年の埼玉移転後の初優勝から6人目(8度目)。
さらにいえば、ダイエーはここまで西武戦13連敗中だった。
当時黄金期にあった西武は、この年も8月9日に早々にマジック37を点灯させる大独走となっていた。
若田部は、これまで西武戦に3度先発し、いずれも前半は好投しながら中盤以降に打ち込まれていた。
この日も9安打、4四球で四度走者を三塁に置くピンチを招いたが、要所で力勝負を挑み、最後は
辻発彦のセンターフライでゲームセット。笑顔で力強くガッツポーズをした。
「初めから飛ばしました。途中でつぶれてもいいと思いました」と若田部。
同年若田部は10勝13敗。この年の完封勝利は、あと1試合だが、それが平和台球場のラストゲーム。近鉄・
野茂英雄と投げ合っての勝利だった。
写真=BBM