現在、広島とソフトバンクの間で日本一を懸けた戦いが行われている。すべての球団が目指す日本シリーズという大舞台。ここではセ・リーグ6球団が直近で出場した日本シリーズを見ていこう。 読売ジャイアンツ

第7戦、2回途中でノックアウトされた先発の杉内
【2013年 対
楽天3勝4敗】
前年日本一に輝いており、40年ぶりの日本一連覇を目指したが、公式戦28戦24勝無敗のエース・
田中将大(現
ヤンキース)擁する楽天の勢いを止めることはできなかった。それでも
原辰徳監督率いる
巨人は、2勝3敗で迎えた敵地・仙台での第6戦に、新人の
菅野智之が田中に投げ勝って逆王手と食い下がったが、第7戦では先発の
杉内俊哉が2回途中でノックアウト(写真)される厳しい展開に。
澤村拓一、エース・
内海哲也を中継ぎ投入する必死の継投で打線の反撃を待つも、最終回の一打同点のチャンスも2夜連続で今度は9回のマウンドに立った田中を崩し切れず。0対3で敗れ、以降は日本シリーズの舞台に立てていない。
広島東洋カープ

第3戦、右足を痛め降板する黒田
【2016年 対
日本ハム2勝4敗】
2016年、日本ハムとのシリーズ。
黒田博樹が引退を表明して迎えた。初戦は重盗を絡め
大谷翔平(現エンゼルス)を攻略、第2戦は
田中広輔の好走塁で連勝し、第3戦。敵地で先発した黒田は6回途中1失点も右足を痛め降板。広島は大谷のサヨナラ打で敗れた。第4戦も落とした広島は、第5戦も
西川遥輝にサヨナラ満塁弾で3連敗。何とか第7戦に持ち込み、本拠地での黒田登板をと願った広島だが、第6戦も4対10。2勝4敗で敗れた。
阪神タイガース
【2014年 対ソフトバンク1勝4敗】
2014年、CSファイナルステージに進出したシーズン2位の
阪神は、優勝した巨人を相手に4連勝で日本シリーズに進出した。2005年以来9年ぶりの日本シリーズ。CSファイナルの勢いのまま、臨んだパ・リーグ王者・ソフトバンクとの第1戦。メッセンジャーの好投とゴメスの3打点の活躍で、6対2でものにした。だが、第2戦でソフトバンクの先発・
武田翔太のカーブに打線が調子を狂わされ、敗戦。その後も打線は沈黙し、2点以上を奪えず4連敗。1勝4敗で1985年以来の日本一を逃した。
中日ドラゴンズ

第7戦で追加点を許してしまった浅尾
【2011年 対ソフトバンク3勝4敗】
球団史上唯一のリーグ連覇を達成した2011年が、最後の出場だ。パの王者・ソフトバンクと、第7戦まで戦った。ホーム球場で勝てない“外弁慶シリーズ”だったが、2勝3敗の崖っぷちで迎えた第6戦もビジターのヤフードームで勝利。その勢いに乗れるかと思いきや、第7戦では
浅尾拓也が失点。シーズン79試合に投げ、わずか5失点だった男が、ここで追加点を許してしまう苦しい展開だった。リーグワーストの打率で優勝した打線も、鷹投手陣の前に沈黙。この年限りで退いた
落合博満監督の最後を日本一で飾ることはできず、竜の黄金時代は幕を閉じたのだった。
東京ヤクルトスワローズ

第3戦で3打席連続本塁打を放った山田
【2015年 対ソフトバンク1勝4敗】
ヤクルトが14年ぶりにセ・リーグを制覇したのは2015年。CSも勝ち抜き、ソフトバンクとの頂上決戦を迎える。
石川雅規、
小川泰弘を1、2戦目で先発に立てるも強力な鷹打線を抑え切れずに連敗スタートとなってしまう。本拠地に戻った第3戦は
山田哲人の3打席連続本塁打もあり、8対4で初勝利。それでも流れはつかめなかった。ホームのアドバンテージも通じず、ソフトバンクに2連敗を喫し、日本一には届かなかった。
横浜DeNAベイスターズ
【2017年 対ソフトバンク2勝4敗】
2017年、セ・リーグ3位でCSに進むと、阪神、広島を下して19年ぶりの日本シリーズに進出した。相手はパ覇者のソフトバンク。しかし、初の大舞台にチームは浮き足立ち、福岡で2連敗。横浜での第3戦も僅差で落とし、後がなくなった。ここからラミレス監督率いる
DeNAが粘りを見せる。第4戦を
濱口遥大の好投で勝利すると、第5戦は
筒香嘉智のバットが火を吹き2連勝で、望みを福岡につないだ。迎えた第6戦は9回までリードを奪うも、
内川聖一の土壇場の1発で追いつかれ延長11回に力尽きた。日本一こそ届かなかったものの、若いチームにはかり知れない経験をもたらした。
写真=BBM