11月1日から12日間、京セラドームで行われる第44回社会人野球日本選手権。決勝まで31試合、社会人の単独チーム日本一、2018年の年間王座決定戦が繰り広げられます。週刊ベースボールONLINEでは、社会人野球日本選手権にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は豊島わかなさんです。 さらなる飛躍を目指して
10月25日のドラフト会議を終え、今年の社会人野球界からは18人の選手がプロ野球選手への切符を手にしました。
今回はプロ野球界に羽ばたく3人の選手にお話をうかがいました。
最初は、阪神タイガースから4位指名を受けたHondaの齋藤友貴哉投手です。
「社会人野球を通して、試合に臨む姿勢や準備について鍛えられました。ピッチャー陣10人はとても仲が良いので、先輩後輩関係なく支えてもらい、リ
ラックスできる環境だったのが良かったです」
ドラフト後に恩師から高校、大学と試合に出られないこともあった中、それでもあきらめずに野球を続けたことを評価され、自身も「必ず即戦力になれるよう1年目からどんどん投げて、阪神に必要とされるピッチャーになりたい」と気合が入っていました。
次にお話をうかがったのは、東京ヤクルトスワローズに5位指名を受けた新日鐵住金広畑の坂本光士郎投手です。
坂本投手は原田三郎監督の自宅でピッチャー陣と集まり、食事をしながらドラフト指名を待ったそうです。
そんな坂本投手は中学、高校とあこがれていたプロの世界を一度、あきらめていた時期もあったそうです。
そのため今回の指名を受けて「本当にうれしいです。周りからも良い球団に指名されたな! と言われています。社会人からプロに行くということは即戦力として期待されているということなので、まずは春の一軍キャンプに参加することが目標です」と想いを聞かせてくれました。
「朝から昼まで仕事をして午後は練習するという社会人野球ならではの環境は、初めのころは体力的にきつかったです。恩師からは『これがゴールじゃないぞ』と背中を押してもらいました。この言葉を胸に初心を忘れずやっていきたいです」と話し、最後は「今まで都会に住んだことがないので東京は緊張します(笑)」と笑顔を見せてくれました。
最後にお話をうかがったのは、三菱日立パワーシステムズから福岡ソフトバンクホークスに7位指名を受けた奥村政稔投手です。
「4年前から毎年指名を待っていたけど、慣れていません。ドラフト当日は独特の嫌な緊張感がありました」とドラフト当日を振り返っていました。
入社当時は社会人野球のレベルの高さに圧倒され、本当にこの世界でやっていけるのか? という気持ちに何度も陥ったそうです。
「特に印象に残っているのは重工長崎時代の都市対抗予選です。そのときの代表決定戦で先発し、6年ぶりの出場を決めました。このときはチーム全員がうれし泣きをしていて、思い出に残っています」
今年のドラフトの中では、Honda熊本の
荒西祐大投手(
オリックス・バファローズ3位)、セガサミーの
森脇亮介投手(
埼玉西武ライオンズ6位)とともに最年長26歳で指名だった奥村投手。そのことについて心境をうかがうと「『あきらめなければ年齢なんか関係なくまだまだやれるんだぞ!』ということを多くの人に伝えていきたいです。そのためにもまずはケガなくやり抜きたい。謙虚な気持ちを忘れず、向上心を持ってひたむきに頑張ります」と目標を話してくれました。
どの選手も、夢だったあこがれのプロ野球界へのステップアップに、いつも以上に明るい表情をしていました。社会人野球を去ってしまうことは寂しくもありますが、今後の活躍が楽しみですね。
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PROFILE

左から成田沙耶加さん、豊島わかなさん、田中優美さん/写真=BBM
なりた・さやか●1990年7月30日生まれ。山梨県出身。ニックネームは「さやくま」。野球観戦歴は家族の影響で幼少時から。趣味は料理とスポーツ観戦、特技は健康食作り。
とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん」。野球観戦歴は小学生のころから。趣味はラーメン屋巡り、特技は猫の爪切り。
たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。野球観戦歴は高校1年生のころから。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。