2018年はペナントレース858試合、クライマックスシリーズ13試合、日本シリーズ6試合と計877試合が行われた。数々の激戦がファンを熱狂させたが、果たして各球団のベストゲームは? パ・リーグ6球団の今季最高の試合を見ていこう。 福岡ソフトバンクホークス
■11月3日
広島戦(マツダ広島) 2対0
最高の形でシーズンを締めくくった。王手をかけて迎えた日本シリーズ第6戦。真っ赤に染まった敵地・マツダ広島で、先発マスクの
甲斐拓也が、まずは魅せる。1回裏一死一塁で
田中広輔が盗塁を試みると、素早く二塁送球。一度はセーフとされたが、リクエストにより判定が覆りアウトに。シリーズ新記録となる5連続盗塁阻止。いきなり“甲斐キャノン”炸裂して球場が沸いた。2回二死一、三塁では一塁走者・
安部友裕を刺して記録を6連続まで伸ばした。守備から勢いづいたチームは、4回無死一、二塁から前日8年ぶりに犠打を決めた
内川聖一が再び犠打を決めて一死二、三塁と好機を広げると、
西田哲朗の意表を突くスクイズで1点を先制。5回には
グラシアルのソロで追加点を奪った。投げても先発の
バンデンハークが2ケタ10奪三振の好投を見せれば、最後は守護神・
森唯斗がピシャリ。チーム一丸で2年連続の日本一を成し遂げた。
埼玉西武ライオンズ

史上初の大逆転勝利にナインは沸いた
■4月18日
日本ハム戦(メットライフ) 9x-8
今季、10年ぶりの優勝を飾ったが、その原動力となったのはプロ野球歴代3位、球団史上最多の792得点を挙げた超強力打線だった。“山賊打線”とも呼ばれた打撃の力をまざまざと見せつけたのが、4月18日の日本ハム戦(メットライフ)だ。投手陣が打ち込まれ8回表終了時で0対8と劣勢の展開。しかし、その裏、打者11人で7点を奪い、1点差に詰め寄ると、9回裏、
源田壮亮、
浅村栄斗の連打と四球で無死満塁とする。ここで打席に立ったのは
森友哉が
石川直也の投じた149キロのストレートを強振すると、前進守備の右中間を破る一撃に。2者が生還し、
西武がサヨナラ勝利を遂げた。「逆転できる雰囲気があった」と森。プロ野球史上初となる8、9回の2イニングで8点差をひっくり返す大逆転劇だった。
北海道日本ハムファイターズ
■8月1日
ロッテ戦(帯広) 8x-7
投手陣が崩れ、打撃陣も相手の先発・
有吉優樹を打ちあぐねて8回表を終わって1対7と6点のビハインド……。だが、ここから極上のドラマが幕を開ける。8月1日のロッテ戦(帯広)、8回裏に代打・
杉谷拳士のソロ、
レアードの3ランなどで一挙5点を奪って1点差にまで詰め寄る。さらに9回には
近藤健介の適時打で同点に追いつき、なおも一死三塁のチャンスで打席には四番の中田翔。球場のボルテージが最高潮に高まる中、
益田直也の2球目の甘く入ったカットボールを振り抜き、左翼線を破る劇的なサヨナラタイムリー!「無我夢中でしたし、打った瞬間は抜けてくれと願っていました」と頼れる主砲が帯広のファンに最高の瞬間を届けた。
オリックス・バファローズ
■6月13日 広島戦(京セラドーム) 12対5
初回に3点を先制されるも、2回裏にT-岡田の3ランで同点に。再びリードを許したが、1点を追う5回裏、
大城滉二、
ロメロ、吉田正尚、
西野真弘の4者連続適時打が飛び出すなど、2四球に4安打を絡めて再逆転に成功。6回裏には
小田裕也のソロ、7回裏にはT-岡田が、この日2本目となる3ランを放って12安打12得点を奪ってセの首位チームを圧倒した。得点力不足に悩んだ今季も、個の打力は決して低くはない。つながりを増した打線に、効果的に一発を放つなど、目指すべき攻撃を体現した試合だった。
千葉ロッテマリーンズ
■3月31日
楽天戦(ZOZOマリン) 6-2
さっそく見せた“足攻”で
井口資仁体制の初白星を挙げた。新監督が掲げた“走塁改革”の効果は開幕2戦目の初回に発揮された。一番・
荻野貴司が初球を左前に運ぶと、すかさず二盗。2球で無死二塁とすると、一死三塁から
中村奨吾の二ゴロで先制。四番・
井上晴哉のソロで1点を追加し、さらに二死一塁から菅野剛士が一塁の横を鋭く抜ける打球を放つ。一走の
鈴木大地がわき目もふらずに本塁へと突っ込み、菅野も三塁へ到達。3点をもぎ取って試合の主導権を握った。投げては先発・
ボルシンガーが7回途中1失点の粘投。“足”でつかんだ今季の初勝利だった。
東北楽天ゴールデンイーグルス
■7月24日 日本ハム戦(楽天生命パーク) 10x-8
山下斐紹のプロ初本塁打が、延長戦にもつれ込んだ熱戦にピリオドを打った。7月24日の日本ハム戦(楽天生命パーク)、中田翔の2点適時二塁打などで、3回までに3点リードを許した楽天。それでも1点ずつ返していくと、8回に
島内宏明の適時二塁打で7対7の同点に追いついた。試合は延長戦にもつれ込み、10回に日本ハムが代打・
鶴岡慎也の適時二塁打で勝ち越し。それでも楽天はその裏、二死から連打で一、三塁の好機を作ると、
銀次の内野安打で再び同点となる。そして迎えた11回、一死一塁から山下が右翼ポール際に本塁打を放ち、劇的な幕切れが訪れた。
写真=BBM