攻撃力 HITTING REVIEW

1年間、四番に座り続けた山川は本塁打王を獲得。超強力打線の核として本領を発揮した
球史に残る破壊力を誇る打線だった。球団記録となるチーム安打数(1351)を放ち、2位に100得点以上の差をつける792得点をマーク。この得点も球団記録で、1950年松竹の908得点、2003年ダイエーの822得点に次ぐ、プロ野球歴代3位の記録だった。
一番・
秋山翔吾、二番・
源田壮亮、三番・
浅村栄斗、四番・
山川穂高の上位打線はほぼ固定。特に浅村は球団記録となる127打点でタイトルを獲得、山川も47本塁打を放ってキングに輝くなど三、四番が強力だった。さらに五番以降にも
中村剛也、
栗山巧、
森友哉、
外崎修汰ら好打者が並び、相手投手にとっては息つく暇がなかった。
西武打線の真髄は打つことだけではない。源田が34盗塁、
金子侑司が32盗塁、外崎が25盗塁を決めるなどリーグトップの132盗塁もマーク。局面を足で打開することができたのも大きな強みとなった。強打&機動力を駆使して、4月18日の
日本ハム戦(メットライフ)では史上初の8点差を8、9回で逆転する勝利を収めるなど、多くの逆転劇を成し遂げた。
投手力 PITCHING REVIEW
64年ぶりのプロ野球タイ記録となる開幕7戦連続先発白星と投手陣は順調なスタートを切った。この間の失点も2、2、1、4、1、1、3と合格点を与えられたが、最終的にはチーム防御率4.24。2001年近鉄以来のチーム防御率リーグワーストで優勝となってしまった。
昨年は改善された四死球数が再び悪化したことが、投手陣が不振に陥った要因の一つだろう。四球は昨年の403個から506個と約100個増えた。さらに死球も53個から84個へ。厳しく内角と突く制球力もままならず、四球でムダなランナーを出して失点に結びつく。再度、見直しが必要な点だろう。
多和田真三郎が最多勝に輝き、打線の力もあり、10年ぶりの優勝は成し遂げたが投手陣の不安が露呈したのが
ソフトバンクとのCSファイナルシリーズだった。計5試合で44失点。敗退の要因は明らかだった。投手陣が全体的にレベルアップしなければ悲願の日本一も覚束ないのは間違いない。
守備力 FIELDING REVIEW
捕手は今季、森、
炭谷銀仁朗、
岡田雅利の3人が併用されたが、主戦としてマスクをかぶったのは森だった。5年目を迎えた森。これまで捕手としての出場は16年の22試合が最多だったが、今季は74試合でスタメン出場。森を正捕手として育てていくという首脳陣の覚悟の表れでもあるが、森もその期待に応えようと、懸命に投手陣をリードした。まだ、足りない点もあるが、今季の経験は来季以降、大きなプラスとなるはずだ。
昨年、21失策を喫した遊撃の源田は安定感を高めた。イージーミスが減り、確実に打球を処理。目標にしていた「1ケタ台の失策」は叶わず、11失策を喫したが、長足の進歩を示した。
[2018年の主な達成記録]
▼通算1000試合出場=浅村栄斗、5月6日対
楽天(メットライフ)、プロ野球491人目
▼通算1000三振=栗山巧、6月18日対
DeNA(横浜)、プロ野球65人目
▼新人開幕から221試合連続フルイニング出場=源田壮亮、7月11日対
ロッテ(メットライフ)、プロ野球新記録
▼536試合連続フルイニング出場=秋山翔吾、7月21日対楽天(メットライフ)、パ・リーグ新記録
▼通算1000試合出場=秋山翔吾、7月16日対ソフトバンク(ヤフオクドーム)、プロ野球493人目
▼通算1000打点=中村剛也、8月7日対
オリックス(京セラドーム)、プロ野球45人目
▼通算1000投球回=
菊池雄星、9月21日対ロッテ(ZOZOマリン)、プロ野球352人目
写真=BBM