攻撃力 HITTING REVIEW
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期待された野手の若手の中で唯一143試合にフル出場し結果を残した糸原。来季は主将としてチームをけん引する
春季キャンプ時点では、
阪神の四番を1年間打ち続けるだけの実力があるように思えた
ロサリオ。韓国で2年連続3割30本塁打100打点以上を記録し、移籍してきた。金本監督も大きな期待を掛けていた。
だが開幕すると、相手チームに対策を練られ、まったく打てず。その影響は打線全体にも響いた。六番に据えた2年目の
大山悠輔も開幕から大不振に。この2人で打点を稼げず、チームの得点源も下がった。ロサリオは8月に2度目の二軍降格となると一軍に上がることなかった。
期待の大山は、後半戦に本来の積極的な打撃を取り戻した。一方で16年の新人王の
高山俊が今年も不振で成績をこせなかった。また、6月昇格ながら、打率3割台をキープし続けた
北條史也が9月中盤の守備中に左肩亜脱臼で戦線離脱、開幕直後にも好調の
上本博紀がケガで離脱と気運上昇できない状態が続いた。その中で2年目の
糸原健斗が全試合に出場し一番打者として成長を見せたことは大きかった。
投手力 PITCHING REVIEW
昨季2位の原動力だった自慢のリリーフ陣。特に最優秀中継ぎの
マテオと
桑原謙太朗、セーブ王のドリスがしっかりした働きをしてくれると思っていた。
しかし、フタを開けるとマテオの調子が上がらない。桑原とドリスも疲れが残っているのか、昨季のような腕の振りを見せることはなかった。左腕の
高橋聡文はケガもあり長期離脱。同じく左腕の
岩崎優もまた、開幕から調子が上がらなかった。
先発陣は開幕前、
金本知憲監督が「カギは藤浪」と語っていた。だがその藤浪も二軍で調整することが多く、完全復活ならず。昨季2ケタ勝利の
秋山拓巳も、貯金を作れず最後は二軍のままシーズンを終え、エースの
メッセンジャーも後半戦まったく勝てなかった。負のスパイラルで、先発も中継ぎもしっかりとした軸が決まらず崩壊へと向かった。
だが一方で、先発では
才木浩人、中継ぎでは
望月惇志という若い力が台頭してきたのは来季へ向け明るい材料だった。
守備力 FIELDING REVIEW
8年ぶりとなる捕手のゴールデン・グラブ賞が出たことは大きな出来事だろう。
梅野隆太郎は捕手として130試合以上に出場し、盗塁阻止率はリーグ2位という成績を残した。
一方で、センターラインの遊撃手と中堅手が今年も固定できなかった。遊撃は当初、糸原が務めたが、二塁の
鳥谷敬が不振で上本がケガ離脱で二塁へ。遊撃には
植田海や北條が入った。植田海に関しては打撃不足でレギュラーの座はつかめず。北條は打撃でチームに貢献していたが、ケガで戦列を離れレギュラーの座はつかめなかった。
中堅は打撃の問題が大きく、
中谷将大は不振に陥り二軍降格に。
俊介や
伊藤隼太は打で決定力に欠けた。その結果、センターラインが決まらず、苦戦を強いられる状況が続いた。
その中で、俊足のルーキー・
島田海吏が終盤戦で一軍試合デビュー。非凡な才能を見せて、来季へレギュラー争いに参戦といううれしい状況が産まれつつある。
[2018年の主な達成記録]
▼通算2000試合出場=鳥谷敬、5月4日対
中日(甲子園)、プロ野球51人目
▼通算150本塁打=
糸井嘉男、5月25日対
巨人(甲子園)、プロ野球167人目
▼通算100勝=
能見篤史、6月28日対
DeNA(横浜)、プロ野球135人目
▼通算3000塁打=
福留孝介、7月5日対中日(甲子園)、プロ野球57人目
▼通算1500投球回=メッセンジャー、8月29日対
ヤクルト(甲子園)、プロ野球178人目
▼通算700試合登板=
藤川球児、9月1日対DeNA(甲子園)、プロ野球16人目
▼通算1500安打=糸井嘉男、9月21日対
広島(マツダ広島)、プロ野球124人目
写真=BBM