
多数の報道陣が詰めかけた記者会見。席上で球団新ロゴマークも発表された
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2004年12月24日だ。
福岡の地に「新生ホークス」が発進した。この日、東京都内のホテルで臨時オーナー会議が開催され、スーパー大手のダイエーから、情報通信大手の
ソフトバンクに球団経営が譲渡されることを正式に承認した。
新球団名は「福岡ソフトバンクホークス」に決定。同日、孫正義新オーナーは午前中に福岡入りして、地元の財界人と面談。午後には
王貞治監督と福岡ドームを見学し、会見前には福岡市民に球界参入の報告を行った。
会見では球団ロゴも発表。孫オーナーが尊敬する坂本龍馬が率いた「海援隊」の旗印がベースとなっている。白のラインをはさんだ2本の赤ライン。この赤をソフトバンクカラーの「レボリューション・イエロー」に変えた。
孫オーナーの言う黄色のイメージとは、人を元気にするポジティブな色。「坂本龍馬は高度な情報と知識を持って世界へ目を向けた。私も、そういう志を持って改革を進めていきたい」と孫オーナー。「日本一ではなく、世界一を目指すと言われる。顔は温和だが厳しい注文をつけられる」と、その迫力に百戦錬磨の王監督ですらタジタジだった。
ひるむことなく進む孫オーナーの夢物語。「清く、正しく、強く、ファンに愛される球団」。だれにも負けない志を胸に、生まれ変わった鷹の挑戦が始まった。
写真=BBM