
2019年シーズンは開幕からフル回転の活躍が期待される有原
エース復権を目指す男の「宣戦布告」だった。
1月5日に二軍施設の鎌ケ谷での自主トレを公開したのが
日本ハム・
有原航平。オフの間も例年以上に精力的なトレーニングを積んできただけあって、随所でキレのある動きを披露した。そこで口にしたのが「今年こそ開幕投手をつかみとれるように」という言葉。背番号16が「3.29」のマウンドへの思いを公の場で吐露した。
昨年はチームの大黒柱であった
大谷翔平が抜け、新エースになるべき1年だったが、開幕前に故障して大きく出遅れた。内定していた開幕投手の座も
ロドリゲスに譲り、戦列復帰後も安定感を欠いてエースの役割を果たせずにシーズンは終わった。それだけに2019年シーズンに懸ける思いは誰よりも強く、その瞳は鋭さが増していた。
この日以外にも年末に別件の取材で鎌ケ谷に訪れたときも、室内練習場で黙々と投げ込む有原の姿があった。1球1球のボールを入念に確認しながら、自分自身と向き合ってきた右腕。口にこそ出さないが、低迷した自身の代わりに先発ローテの柱となった
上沢直之、マルティネスの活躍に大きな刺激を受けながらも、人知れず悔しさをかみ締めていた。
昨年の実績からすれば、現段階では上沢が開幕投手の最有力候補なのは間違いないが、来月に迫ってきた春季キャンプ、オープン戦でのアピール次第では有原もその争いに加わってくる可能性は高い。
積極的な補強を敢行し、3年ぶりの覇権奪回を狙う日本ハム。もちろんニューパワーたちの活躍もVへの条件になるが、上沢、マルティネスに負けじと、復権を誓う有原の完全復調が2019年シーズンの大きなカギを握っていると思っている。
写真=BBM