
ブルペンでコントロールの面を強化しながら、遠投などで指先の感覚を作り上げている
キャッチボールのとき、誰よりも遠く離れ、遠投を繰り返すのは
阪神の
西勇輝だ。
オリックス時代から変わらない調整法である。
「まだまだ距離を伸ばしていくつもりですよ」と西。第3クールまではフワッとした軌道の遠投となっているが、距離を伸ばし、最後は強く速いボールとなっていく。そこに行き着くにはひとつの段階がある。指先の皮がしっかり硬くなったときだ。
「マメができて、はがれてしまうと意味がないのでそうならないようにしっかり指先の皮の厚さを作り上げている段階です」
2月10日のブルペンでは130球以上を投げ込んだ西。それでも本人にとっては調整中だ。キャッチボールの遠投で強く速いボールを投げ始めたときこそ、指先が仕上げの状態になったときだ。さらにこの強い球の遠投で、ボールが指に掛かる感覚を作り上げていくのだ。
文=椎屋博幸 写真=榎本郁也