
キャッチボール前に黒いバッグを腕に巻きつけ負荷トレーニングをするジョンソン。右の写真は中に入っているボール
春季キャンプも実戦中心の日程になってきた。2月21日の
阪神対
広島の練習試合(宜野座)では阪神の3番手として、新外国人の
ピアース・ジョンソンがマウンドへ。12球三者凡退に抑えて、評価を高めた。
韓国プロ野球KIAとの練習試合が降雨によりノーゲームになっており、この試合が初の対外実戦マウンドだった「練習はやはり何か気持ちが上がっていかないね。早くゲームで投げたいよ。ゲームは最高さ、僕は投げるのは大好きだからね」と第3クールでそう語っていただけに、マウンドで投げている姿はどこか楽しそうだった。
そのジョンソンが肩など違和感なく投げている秘訣の一つが、キャッチボール前のルーティンにある。おもむろに黒いバッグを腕にしっかりと装着し、マウンドで投げるような腕の振りでシャドーピッチングを何度も繰り返すのだ。それを終えてから、本格的なキャッチボールが始まる。
「これは肩周りのストレッチのようなものなんだ。ルーズショルダーを避けるような効果もあるんだ」と。このバッグの先端には赤いボールが入っており、シャドーピッチングをするときに、これがおもり役となって肩に負荷を掛けるようになっているのだ。
「このボールは普通のボールより少し重いよ」と見せてくれた。重さは7オンスで約198グラム。硬式球は約140~148グラムなので、持つと重く感じる。この道具を使い150キロの真っすぐと多彩な変化球を駆使し、打者を翻ろうする。
阪神では中継ぎ、抑えとして起用されるが「たくさんゲームで投げたい」とジョンソン。シーズンに入り勝ちパターンでより多くの快投を見せてくれるはずだ。
文=椎屋博幸 写真=小山真司