新元号「令和」が発表され、平成のカウントダウンが加速している。
今回からシリーズで平成元年の1989年から2018年まで、年度別にMVP、ベストナインを選んでみた。
この手の企画では、いつも書いているのだが、あくまで編集部選定。異論反論は多いと思うが、ご容赦いただきたい。
円熟の西武が2年連続日本一

16勝3敗で投手陣を支えた西武・工藤公康が日本一の胴上げ投手
1991年(平成3年)順位表
セ(1
広島2
中日3
ヤクルト4
巨人5大洋6
阪神)
パ(1西武2近鉄3
オリックス4
日本ハム5ダイエー6
ロッテ ※日本一は西武
平成3年、1991年、セではチーム打率がリーグ4位の.254、最多本塁打が
江藤智の11本塁打だった打線を、最多勝、最優秀防御率に輝いた2年目の
佐々岡真司、最優秀救援投手となった
大野豊を軸とした投手陣が支えた広島が優勝。沈滞期もあったが、同年大野とのダブルストッパーを期待されながら闘病生活に入り、そのまま戻らなかった炎のストッパー・
津田恒実のためにと一丸になった。
パでは
秋山幸二、
清原和博、
デストラーデのAKD砲を擁する西武が工藤公康、
郭泰源と左右エースの好投もあって近鉄との大激闘を制し、連覇。日本シリーズでも広島を4勝3敗で下した。
また、ロッテは同年限りでフランチャイズを川崎から千葉に移す。
MVPは広島・佐々岡真司

佐々岡は2年目のジンクスもなくエースに成長
本誌選定MVP
佐々岡真司(広島)
1年目は17試合連続SPの日本新記録をつくるなどリリーフとして活躍。2年目は先発となって5月の2試合連続完封でチームに弾みをつけ、9、10月の優勝争い佳境には5連勝も。勝ち星を挙げた17試合はすべて3失点以内と高い安定感を誇った。
最多勝、最優秀防御率のほか沢村賞、セ・リーグMVPも獲得している。
本誌選定ベストナイン
[先発投手]
佐々岡真司(広島)
33試合17勝9敗0S、防御率2.44
[抑え投手]
大野豊(広島)
37試合6勝2敗26S、防御率1.17
離脱した津田のためにも力投を見せ最優秀救援投手に
[捕手]
古田敦也(ヤクルト)
128試合140安打11本塁打50打点4盗塁、打率.340
強肩が光った守備とともに捕手では65年
野村克也(南海)以来の首位打者
[一塁手]
落合博満(中日)
112試合127安打37本塁打91打点4盗塁、打率.340
2年連続本塁打王。首位打者争いでは古田に3毛及ばなかった
[二塁手]
白井一幸(日本ハム)
105試合102安打4本塁打32打点15盗塁、打率.311
3厘差で首位打者は逃したが、打率3位、最高出塁率でカムバック賞
[三塁手]
松永浩美(オリックス)
130試合152安打13本塁打76打点20盗塁、打率.314
首位打者、ロッテ・
平井光親にはわずか4毛差の2位
[遊撃手]
野村謙二郎(広島)
132試合170安打10本塁打66打点31盗塁、打率.324
打率は初の3割超え。最多安打、盗塁王にも輝いた若きチームリーダー
[外野手]
秋山幸二(西武)
116試合135安打35本塁打88打点21盗塁、打率.297
球宴で目を傷め、後半戦はややペースダウンも勝負強さが光った
佐々木誠(ダイエー)
130試合158安打21本塁打71打点36盗塁、打率.304
パの最多安打をマークし、初の打率3割台に乗せた若鷹
広沢克己(ヤクルト)
132試合137安打27本塁打99打点13盗塁、打率.278
四番打者として99打点を挙げ、打点王で初の打撃タイトルに
[指名打者]
デストラーデ(西武)
130試合117安打39本塁打92打点15盗塁、打率.268
前年に続き本塁打王、打点王でVの原動力に
写真=BBM