エースの投げ合いを見たい

今永は一皮むけたか
セ・リーグは今、カープの足踏みもあって混戦の中で
ヤクルトが首位にいる。打線もすごいし、いいチームだと思う。
ただ、攻守走の総合力を考えると、あくまで現時点ではあるが、一番上は
DeNA。このままいけば、優勝争いを演じる可能性は十分にある。
今季のDeNAを評価した最大の要因は投手陣。
見た目はそんなに違わないように見えるけど、ハマスタのスピードガンでは昨年より平均3キロか5キロは球速が上がっているからね。さすが番長・
三浦大輔がコーチになっただけのことはある。秘密トレーニングでもしたんだろうな。
……いや、冗談です。あのスピードガン、間違いなく、球速が出過ぎだろ!
ただ、先発がいいのは間違いない。昨年は、ほぼ新人の
東克樹だけみたいな中でリリーフ陣が踏ん張ったが、今年はリリーフがくたびれている分、1年休憩した先発陣、特に
今永昇太、
浜口遥大が、すでに1安打完封を1試合ずつ。昨年は、チーム全体で1年2完投だから、差がはっきり出ている。
特に今永がいい。先ほどのスピードガンの数字とは関係なく、ストレートの球威、キレが明らかに増している。
加えて、あいつはいま、間違いなくピッチングを楽しんでいると思う。
まったく投げ急ぐことなく、ゆったりしたフォームでバッターをよく観察しながら投げている。
しかもフォームが一段だったり、二段だったり、クイックだったり、自由自在。打者に対して上目線になれているからだろうね。
数年前なら審判に注意されていたピッチングだけど、二段モーションが事実上の解禁というのか、文句を言われないようになったから堂々とできている。
ある意味、それだけピッチングってそれだけ深みがあって、可能性があるということ。少し打者のタイミングを外すだけで、まったく別人みたいなピッチングもできるようになる。
誰でもじゃないよ。しっかりした技術と強いメンタルがある選手が、この自由を満喫できている。
昨シーズンから
巨人・
菅野智之、
広島・
大瀬良大地が一皮むけたピッチングになっているのも、彼らに、ちゃんとしたベースがあるから。
打線に関しては、もともとクリーンアップの破壊力は球界屈指。今年も相変わらず、ホームランがバカスカ出てる。
本拠地のハマスタは、もともと狭いからホームランはよく出るけど、ウイング席ができて、風が少し変わった。
一度、ものすごいホームラン風になったことがあるが、これからどうなるのかな。
季節によっても違うだろうから、すぐには分からないけど、ホームだけにしっかり味方にしたいね。
ただ、昨年までを例に挙げるまでもなく、一発頼みの打線はどうしても波がある。ポイントは
神里和毅じゃないかな。足の速い彼が一番に定着し、かつ打撃好調ということで、攻撃の幅が広がっているが、これが1年間持つかどうか。
そういえば、ウイング席の最上階は12階建てのビルくらいの高さがあるらしい。勾配がきつく、高所恐怖症の人と、あとお酒飲みながら観戦したい人は気をつけたほうがいい。転んだら一気に下まで行っちゃいそうだからね。
ホームランの軌道を上から見る楽しみを味わってほしいという意味もあると聞いたけど、確かに、打撃戦も見ていて楽しいだろうが、今年は、球場中がシーンと静まりかえるエースたちの自在な投手戦も、グラウンドを一望できる高い位置から楽しんでほしいな。