「偉大な選手と同じチームにいられたのは光栄だ」

クリスチャン・イエリッチ外野手(ブリュワーズ)
今週はブリュワーズのクリスチャン・イエリッチ外野手が
イチローについて語る。2015年から17年まで3年間、マーリンズでともにプレー。同じ左打ちの外野手として大きな影響を受けたという。1991年12月5日、ロサンゼルス近郊のカリフォルニア州サウザンドオークス出身。高校を経て10年ドラフト1巡目でマーリンズ入団。13年メジャー・デビューした。昨季、ブリュワーズにトレードされ、打率.326で首位打者。36本塁打、110打点でナ・リーグMVPに選出された。
――今季は開幕から4試合連続本塁打を素晴らしいスタートを切り、4月14日終了時点で打率.328、5本塁打、15打点と好調です(翌15日のカージナルス戦では3本塁打)。
イエリッチ とてもいい感じだ。これから楽しみだね。
――ところでイチロー氏が現役を引退しました。3年間、マーリンズで一緒にプレーしました。
イエリッチ 素晴らしい先輩で、素晴らしいチームメートだ。メジャー通算3000安打達成など輝かしい実績を残し、5年後の候補資格1年目に殿堂入りするのは間違いない選手。そういう偉大な選手と同じチームにいられたのは光栄だ。
――イチロー氏とともに過ごしたマーリンズでの3年間で、一番思い出に残っていることは何でしょう。
イエリッチ それはもちろんメジャー通算3000安打の瞬間だね。
――16年のことですね。達成までにずいぶん時間が掛かったことに、イチロー氏が達成後の会見で「余計な経費をかけさせてしまいましたね」と報道陣を笑わせていました。
イエリッチ 報道陣がたくさん来て、ものすごい熱気だったね。
――同じチームにいて、騒ぎにイライラしたりはしませんでしたか。
イエリッチ そんなことはないよ。僕はとてもワクワクしていた。ほかのチームメートもそうだったと思うな。そう何度も立ち会えることのないような、歴史的な場面だからね。チームの一員としてあの場にいられたことはうれしい。
――イチロー氏から得たものは何だったでしょうか。
イエリッチ 準備の大切さを学んだよ。彼は先発するときも途中から出場するときも、常に万全の状態で試合に臨んでいた。体の手入れを常に怠らず、だからこそあの年齢までメジャー・リーガーでいられたのだと思う。そのあたりは僕も見習っているつもりだ。
取材=樋口浩一 写真=Getty Images