
百戦錬磨の経験値を生かした打撃で存在感を発揮している田中賢介
現役ラストイヤーとなる集大成のシーズンで、日米合わせて20年目のベテランの存在感が光っている。
田中賢介、37歳。
清宮幸太郎、
王柏融、
淺間大基らがケガで戦線離脱する中、勝負強い打撃で最近はスタメン起用されることも多い。開幕当初は代打でなかなか結果を出せずにいたが、4月後半からは打撃好調。相手投手によってはクリーンアップの五番も任されるなど、そのバッティングはまだまだ健在であることを結果で見せつけている。
シーズンが開幕する前に異例の引退宣言。「先に言ったほうが迷惑がかからないかなと思って」と周囲にも配慮した大きな決断だった。なかなか勝てなかった東京時代を経て、北海道移転、さらにはMLB挑戦、
日本ハム電撃復帰を経て迎えた集大成の1年。その経験値、背中に影響を受けてきた選手は多く、現在セカンドのレギュラー定着に向けて奮闘している
渡邉諒も「やっぱり賢介さんにまだオレのほうがいいなと思われないように、信頼されるセカンドになりたい」とあこがれの先輩に追い付き、追い越せの思いを胸にプレーを続けている。
田中賢本人も「引退宣言したことで若い選手も聞きやすいと思う。僕のことをどんどん使ってくれたら。あとはたくさんのお世話になった方への感謝の気持ち、恩返しをしたい」と語り、チームへの献身と周囲への感謝を胸にラストイヤーを歩んでいる。
平成ファイターズ最後のレジェンドとも言える背番号3。令和元年となった現役最後の1年でどんなプレーをこれからも見せてくれるのか。そのラストダンスをしっかりと目に焼きつけていきたい。
写真=BBM