
イチローと松坂の初対決の初打席はストレートで空振り三振だった
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1999年5月16日だ。
4月のプロ初登板から約1カ月後のこの日、
西武の
松坂大輔は
オリックスのイチローと初対決の日を迎えた。
このとき、松坂は横浜高を卒業して1年目の18歳。前年の甲子園では春夏連覇、特に夏の決勝ではノーヒットノーランを達成するなど“平成の怪物”というニックネームどおりの活躍を見せ、鳴り物入りでプロ野球の世界に入ってきた。
対するイチローはプロ8年目の25歳。前年の98年には5年連続首位打者という日本新記録を達成し、まさに脂の乗り切った状態だったと言えよう。
この2人の初対決は、マスコミにも大々的に取り上げられ、西武とオリックスのファンのみならず、普段プロ野球にはあまり関心のない多くの人たちにも注目された。
その瞬間は、1回表二死無走者の場面で訪れた。松坂の投げた初球、149キロのストレートはボール。ストレート2球、変化球2球、その後のストレートをイチローはファウルでしのぎ、カウントは2ボール2ストライクとなっていた。
そして6球目。アウトコースの147キロのストレートに対し、イチローのバットは空を切った。日本中が注目したと言っても過言ではない初対決は、松坂がイチローを三振に抑えるという結果になった。
3回表、6回表の対決も三振。8回表、最後の対決は四球に終わったが、衝撃の3連続三振。上々の結末に松坂はお立ち台で「今まで自信が持てなかったけど、今日で自信が確信に変わった」の名言を口にした。
写真=BBM