
2000安打の偉業を達成して記念ボードを掲げ、歓声に応える田中幸
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2007年5月17日だ。
この日、行われた
楽天戦、
日本ハムの
田中幸雄が4回裏の第2打席、
山村宏樹から糸を引くような鮮やかな打球をライト前に放った。03年まで本拠地だった東京ドーム。たくさんの思い出が詰まったグラウンドで、史上35人目の2000安打を達成した。
「気持ちのいいヒットが打てて、なんて幸せ者だろうと思います」
派手なことや目立つことが苦手な男が、渾身の力を思いでつかんがメモリアル安打。込み上げてくる感情を必死に抑えながら笑顔を見せた。
苦節22年。時間はかかった。だがその分、より多くの価値が込められた偉大な大記録だ。打率3割を1度も経験しないで2000安打を達成したのは
柴田勲(
巨人)に次いで2人目。86年6月10日の南海戦(後楽園)の5回に放ったプロ初安打は本塁打だった。そこから7646日目にたどり着いた生え抜き初の偉業は、大いに評価に値するものだった。
写真=BBM