
史上75人目の快挙を達成してマウンドでガッツポーズをした杉内
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2012年5月30日だ。
ソフトバンクからFA移籍で
巨人の一員となった
杉内俊哉が、1994年の
槙原寛己(巨人)以来の大記録に肉薄した。この日の
楽天戦(東京ドーム)。先発した杉内は9回二死まで1人のランナーも許さぬパーフェクトピッチング。27人目の打者、
中島俊哉も1ボール2ストライクと追い込んだ。しかし、続く外角低めのストレートはボール。さらにボールを2球続け、快挙ならず。それでも次打者・
聖澤諒を三振に斬って取り、史上75人目のノーヒッターになった。
四球となった99球目は厳しくインコースを突いたが杉内はその意図を次のように説明した。
「パーフェクトペースで来ていて、ファンの皆さんが期待してくれている中で、無責任に真ん中に投げてヒットを打たれることだけはしたくなかったんですよ。あの状況では、ヒットを許すくらいなら厳しいところを攻めて四球のほうがよい、と」
1四球の準完全試合は鹿児島実高時代、98年夏の甲子園初戦の八戸工大一高戦でも達成していたが、プロではまた格別のうれしさだった。
写真=BBM