
大学時代には巨人の菅野智之[中央、東海大]、広島の野村祐輔[左、明大]とともに大学BIG3と称された藤岡貴裕[東洋大]。6月26日に巨人へのトレード移籍が決まった
交流戦が終了し、2日間のオフがあけた6月26日、東京ドームで全体練習を再開した巨人が、防御率4.41(リーグ5位)の中継ぎ陣強化の一環として、
日本ハムとの間でトレードに踏み切った。
吉川光夫投手、
宇佐見真吾捕手が日本ハムへ。日本ハムからは藤岡貴裕投手、
鍵谷陽平投手を迎え入れる。
同22日にはメジャー通算26勝右腕で、今季は3Aで18試合にリリーフ登板しているR.デラロサを獲得したばかり。交流戦期間中にセ・リーグ首位に躍り出たが、V奪回へ向けて、首脳陣、フロントの危機感を感じさせる補強劇となった。
近年の実績では過去5年で197試合すべてに中継ぎ登板し、今季も18試合に登板している鍵谷に軍配が上がるが、ここでは藤岡に注目したい。昨季途中、
ロッテから日本ハムへトレード移籍したばかりで、2018年は4試合のみ、今季も2試合のみの登板にとどまってはいるものの、東洋大時代には同学年の菅野智之(現巨人で東海大)、野村祐輔(現広島で明大)と“大学BIG3”と称され、2011年秋のドラフトでは1位指名で3球団(ロッテ、横浜、
楽天)が競合した左腕だ。
なお、東洋大時代は東都大学リーグ戦で49試合27勝9敗、323奪三振、防御率1.31も、ロッテ入団後は4年間で56試合に先発、20勝にとどまり、その4年目途中から中継ぎに転向。以降はすべて中継ぎとして起用され、ドラフト指名時に期待されたパフォーマンスを披露し切れないでいた。
トレードが正式に発表となった26日、東京ドームでの練習後に取材に応じた
原辰徳監督は、藤岡について「僕はアマチュア時代の彼の姿も知っている」とした上で、「このところ少し消化不良的なところがあるので、気分一新、水を得た魚のごとくジャイアンツで暴れてもらいたい」と期待を口にしている。巨人には常連だった大学ジャパンでの盟友・菅野もおり、「頼ってほしいし、一緒に頑張りたい」とサポートを約束する。ポテンシャルは十分。新たな環境で飛躍となるか。
文=坂本 匠 写真=BBM